聞き慣れない人もまだ多い「オクトーバーフェスト」という言葉。
毎年ドイツのミュンヘンで開催されている世界最大のビールイベントの名称だ。このビールイベントが日本に上陸して10年以上たつが、オクトーバーフェスト実行委員会という団体が初めて開催した2003年からジワジワと認知度を上げ、今夏、特に大きな話題を呼んでいた。
同委員会による今年のオクトーバーフェストは、東京・台場(セントラル広場・4月25日~5月6日)、東京・日比谷(日比谷公園・5月16~25日)、宮城・仙台(錦町公園・6月6~15日)、奈良(奈良公園・6月20~29日)、千葉・幕張(豊砂公園・8月1~10日)、長崎(おくんち広場・9月12~23日<予定>)など、全国各地で開催されている。
そして同委員会のイベントデータによると、10年は全国4会場で15万人、11年は全国5会場で25万人、12年は全国8会場で40万人、13年は全国12会場で60万人と、開催会場、入場者数ともに右肩上がりとなっているという。
●なぜビールの祭りがブーム?
この盛り上がりの要因について、オクトーバーフェスト実行委員会の木村麻耶氏に話を聞いた。
「日本のビールメーカーとはひと味もふた味も違う、本場のドイツビールを楽しめることがブームの要因の一つです。また、デパートの屋上などでテーブルに座って飲食するビアガーデンと、ビール片手に歌って踊るオクトーバーフェストでは会場の雰囲気もまったく違います。そもそもビアガーデンはメインの時間帯が夜で、客はビジネスパーソンが主だと思いますが、オクトーバーフェストはターゲット層も異なっているため、うまく棲み分けができていると考えております」
来場者同士が「プロースト!(乾杯!)」と声を上げ、腕を組んで踊ったり、ハイタッチをするなど、見知らぬ人同士でも気がつくと仲良くなっている光景が少なくないという。
「私どもが開催するオクトーバーフェストは、平日は16時、週末の土日は11時からオープンします。天候に大きく左右されますが、土日は平均で1万人以上、平日でも5000人ほどの来場者を集めています。来場者の多い日比谷公園では、開催期間中の10日間で約8万リットルのビールが消費されます」(同)
扱うビールはドイツ産がメインだが、ドイツと同じ製法でつくられている日本の地ビールも売られている。ビールは会場の規模にもよるが、概ね30~50種を揃えている。人気はヴァイスビール(50%以上小麦麦芽を使用した白ビール)だという。また会場ではドイツ民族衣装のレンタルサービスやドイツ楽団のライブも催されており、人気を集めている。