清涼飲料業界は上位メーカーの寡占化が進んだ。08年のリーマン・ショック前までは日本コカ・コーラグループが独走し、サントリー、キリンビバレッジ、伊藤園、アサヒ飲料の5社に集約されていた。13年はコカ・コーラ、サントリー食品インターナショナル、アサヒ飲料の上位3社のシェアが前年より2.4ポイント上昇し、63.0%に拡大。4位の伊藤園、5位のキリンビバレッジを突き放した。首位を激しく追い上げているのがサントリーだ。シェアはコカ・コーラが29.0%で、サントリーが22.4%。かつて11ポイント以上開いていた両社の差が、6.6ポイントに縮まった。
同調査で首位が交代した品目としては、戸建て住宅販売では割安な分譲戸建てを販売する飯田グループホールディングス(GHD)がトップになった。飯田GHDは13年11月に一建設、アーネストワンなど6社が統合して誕生した。7.9%のシェアを取り、2位の積水ハウスを4.3ポイント上回った。
マンション販売は三井不動産レジデンシャルが初めて首位になった。20年の東京五輪開催が追い風となり、東京湾岸の大型物件が想定を上回るペースで完売するなどして、シェアを1.6ポイント伸ばし、野村不動産をかわした。ちなみに前年の12年は野村不動産が初めてトップに立ったが、同業界では首位が毎年入れ替わる状況が続いている。下記は、00年と13年のマンション供給戸数の上位5社のランキングだが、業界勢力図が一変していることが分かる。
※以下、順位、企業名、供給戸数(戸)
【2000年】
1位:大京、9,007
2位:三井不動産、6,149
3位:住友不動産、5,879
4位:ダイア建設、5,153
5位:穴吹工務店、4,372
【2013年】
1位:三井不動産レジデンシャル、7,476
2位:野村不動産、6,517
3位:リクルートコスモス、5,702
4位:三菱地所レジデンス、5,599
5位:大京、2,913
(不動産経済研究所調べによる)
●苦境に陥った独立系
00年は独立系のマンション販売業者が群雄割拠の状態だった。だが、独立系は苦境に陥る。首位を独走していた「ライオンズマンション」の大京は、04年に産業再生機構の支援を受けた。UFJ銀行(現・三菱東京UFJ銀行)の不良債権処理の一環である。UFJ銀の債権放棄や99%減資という荒療治を経てオリックスに売却され、現在はオリックスが63.7%の株式を保有する。