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日本車メーカーとしては、100馬力、200km、200万円以下の自動車をつくって、高い燃費と性能を兼ね備えたエコスポーツカーを世界に訴えるべきではないだろうか? オートバイの世界では660ccで100馬力はすでに実現可能である。
戦略的には、日産自動車のGT-Rと同じだ。GT−Rはフェラーリやポルシェと並ぶ性能を誇りながらも、価格的には2分の1から3分の1だ。軽自動車で、場所を選べばフェラーリを追い回せる車を10分の1以下の価格で発売できれば、新たな市場を生み出すことができるだろう。
エコなのにかっこいい、という自動車は、米テスラモーターズが電気自動車で実現して話題を呼んだが、日本メーカーもあえて磨き尽くした既存技術を積み重ねて同じコンセプトで勝負してみたらどうだろうか。
この進言は、実は自動車メーカーに対してだけ伝えたいのではない。日本のモノづくりのすごみは、新しい技術を大げさなパッケージで包み込んでアピールするよりも、枯れた技術、進歩が止まったと思われているような分野において、さらに精度を高めてたどり着くミリ単位の進化をみせることにある。
そうした技術者魂を前面に出すことこそが、日本の強みであったはずなのだが、いつの間にか多くの日本人が忘れてしまっている気がする。日本の本当の優位点を思い出すためにも、最も目立つ大きな市場である自動車製造分野において、それもガラパゴス的な日本独自の軽自動車市場で、イノベーションをわかりやすいかたちで示すこと。そういう戦略を企業は求められているのではないだろうか。
(文=小川浩/リボルバー代表取締役CEO、シリアルアントレプレナー)
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