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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

韓国を真似するようになった日本は、落ちぶれたのか?積極的模倣戦略の重要性

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授

 それから、時間は流れ、日本メーカーからシルバーフレームのテレビが発売された際は個人的に大変喜ばしく、また、お掃除ロボットが日本メーカーから発売された際も「積極的模倣戦略、どんどんいきましょう」と勝手に応援していました。

いつから日本はそんなに偉くなったのか

 しかしながら改めて考えてみると、こうした戦略は戦後、欧米に必死にキャッチアップしてきた日本のお家芸だったのではないでしょうか。批判的な言い方をすると、いつから日本はそんなに偉くなってしまったのでしょうか。

 もちろん、イノベーションを重視する戦略に異論はなく、他社商品を圧倒的に上回る機能的価値を持った商品を開発し、高く売って大いに儲けてほしいと思いますし、とりわけ人件費をはじめ高コスト体質にならざるを得ない日本メーカーにとっては、極めて重視すべき戦略であると考えています。

 しかしながら、「前のイノベーション」から「次のイノベーション」の成功までの期間など、日々の糧を確実に稼ぐために積極的模倣戦略の採用も、選択肢の一つとして準備しておくべきだといえます。

「模倣戦略=レベルが低い、かっこ悪い」という呪縛から解放されることも、重要なのではないでしょうか。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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