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「ダイヤモンド」vs.「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(11月第1週)

世界に通用する大学は秋田大に東海大?東大生も羨む、海外の大学のすごさ

世界に通用する大学は秋田大に東海大?東大生も羨む、海外の大学のすごさの画像1米・プリンストン大学「Thinkstock」より
 「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/11月2日号)は「本当に強い大学 日本の大学トップ300」という特集を組んでいる。「大学選びは、日本のみならず世界も視野に入れて考える時代に入った。米国やアジアも含めて、有力大学の実力に迫る」という内容だ。

 毎年この時期恒例の企画で、昨年も同誌(10月27日号)は「本当に強い大学2012 日本の大学トップ300」という特集を組んだ(詳しくは「就職超氷河期に就職率100%の大学も! 本当に進学すべき大学」)。私立582校、国立91校、公立81校の決算データと経営指標が収録された「大学四季報」も付録として付いてくるのだ。

 昨年との大きな編集上の違いは、今年は「Part1 海外の大学はここまですごい」と海外の大学を前面に押し出したことだ。「米国名門大学がハイレベルである理由」という記事では、米国名門と呼ばれる東部「アイビーリーグ」8大学のうち、ハーバード大学、イェール大学に通う日本人留学生を紹介。特に、東京大学理科1類にも数カ月通学し、現在はハーバード大学に通う学生は「毎日が知的刺激にあふれている。これは日本の大学では味わえなかったこと」と、その充実ぶりを語る。

●教育レベルも高いが、学費も高い米国

 米国大学ランキングベスト3は1位:プリンストン大学(ニュージャージー州)、2位:ハーバード大学(マサチューセッツ州)、3位:イェール大学(コネチカット州)だ。レベルも高いが学費も高い。ハーバード大学の学費は年間約410万円に寮費が同約136万円、イェール大学は学費同約428万円に寮費が同約126万円と日本の大学より数倍高い。

 また、「米国リベラルアーツカレッジと豪州職業訓練学校の魅力」といった記事や「アジアトップの国際大学 授業の質高く、学費もお得 アジアの一流大学が狙い目」といった記事で海外留学の魅力を紹介している。

 「Part2 世界に通用する日本の大学」では、海外でも活躍できる人材育成に力を入れている日本の大学を紹介している。秋田大学、鳥取大学、東京工業大学、国際教養大学、京都大学、東海大学などが紹介されており、それぞれの記事では「英語」「グローバル」「国際化」という文字が躍る。

 肝心の、特集タイトルにある日本の大学のランキングはといえば、特集の後半だ。

●東大、京大、慶大…目新しさのないランキング

 2013年版「本当に強い大学」総合ランキングは1位:東京大学、2位:京都大学、3位:慶応義塾大学、4位:大阪大学、5位:豊田工業大学、6位:早稲田大学、7位:東北大学、8位:東京工業大学、同8位:名古屋大学、10位:九州大学という順だった。上位はほぼ前年と同様の顔ぶれ(若干順位が入れ替わっているだけ)で、新しさがない。

 確かに、付録の決算データと経営指標が収録された「大学四季報」とともに大学関係者が安心して購入できる内容になっている。

 しかし、海外留学などは絵空事、現実的な情報が欲しい受験生には「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/10月12日号」「大学徹底比較 就職に強い学部・ゼミ・体育会はここだ!」という特集のほうが有用だろう。詳しくは「就職に強い大学に異変?理系女子争奪戦、早稲田大に圧勝の慶應、法学部凋落…」。

 この毎年恒例の大学ランキングだが、このまま東洋経済が紹介するように国際化の流れが加速すると、来年の「本当に強い大学」特集は、「東京6大学よりアイビーリーグ8大学へ入ろう」といった記事が躍り、「大学四季報」はアイビーリーグ8大学から、オーストラリアの大学、香港や韓国勢が上位を占めるアジアの大学の決算データと経営指標が収録されることになるのかもしれない。
(文=松井克明/CFP)

BusinessJournal編集部

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