【ワシントン時事】先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が25日、ワシントンで開かれ、経済制裁で凍結したロシアの資産を活用する総額500億ドル(約7兆6000億円)のウクライナ支援融資の枠組みについて合意した。各国の拠出額の内訳や制度の詳細は、近く議長国イタリアが発表するが、日本の拠出は5000億円規模とみられている。G7は年内に融資開始を目指す。
G7首脳は同日、財務相会議の合意を受けて声明を発表。「ウクライナ支援でのG7の連帯は揺るがない」と強調した。G7では6月の首脳会議の大枠合意を踏まえ、詰めの調整を進めていた。
会議には加藤勝信財務相と植田和男日銀総裁が参加。加藤氏は終了後、報道陣に対し「G7が一致してウクライナを断固支援するという姿勢を示す意味では大変有意義だ」と語った。
500億ドルのうち、既に米国は200億ドル(約3兆円)の拠出を表明済み。英国は22億6000万ポンド(約4500億円)、カナダは50億カナダドル(約5500億円)の拠出をそれぞれ発表している。欧州連合(EU)は欧州議会が最大350億ユーロ(約5兆7500億円)を承認しており、実際の拠出額は他国の金額を踏まえて決める。
日本は国際協力機構(JICA)による円借款で拠出。世界銀行に設置される基金を通じて軍事利用されない形で融資する。
各国への返済原資には、凍結されたロシア中央銀行の資産から得られる利子収入を充てる。融資の実行期間は今年12月から3年間とする。
会議ではこのほか、人工知能(AI)が経済に与える影響や巨大IT企業などを念頭に置いた国際課税の実施について議論。共同声明で、最近数カ月間の中東紛争の激化による下振れリスク上昇に懸念を示した。
(記事提供元=時事通信社)
(2024/10/26-11:29)