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消え行く昭和のエロに思いを馳せて…『あの日のエロ本自販機探訪記』著者インタビュー

取材・構成=編集部

自販機探しは『Pokemon GO』と通じていた?

――とはいえ、かなり手間暇がかかりそうです。再開した14年1月当時は趣味だったんですよね?

黒沢 コラムぐらいには書きましたけど、基本的には趣味ですね。仕事を終えて、帰宅してからコツコツと調べて。調子がついてくると、一晩で何カ所も見つけられたりするんですよ。だから、今日はあと5カ所見つけるまでがんばろうとか、ノルマを課して、あと1個見つけるまでは寝ないぞ! みたいな(笑)。現地に行って、実物を見つけられるとやっぱりうれしいですし。

――『Pokemon GO』みたいですね、情報を集めて、現地に行って、見つけ出すという楽しみ方が似ているような。

黒沢 ああ、そうですね! ポケモンを集めるのと同じですよね、1個見つけたら、また次、また次となっていく。あのコレクション感覚は似ていますね。

 ゲームもそうだと思いますけど、加速度的に見つけるペースが上がっていくんですよ。コツをつかむというか、「この辺にありそうだな」というあたりをつけるのに慣れていくんです。その過程でどんどん見つけるという行為も楽しいし、現地に行ってみて、「こんなところに自販機が?」という予想外のことに直面したりするのも楽しくて。

――趣味としての「自販機探し」の楽しさはなんとなくわかりました。では書籍化に至った経緯は?

黒沢 以前、やはり今回のようにぼくが出した本について双葉社の雑誌で取材を受けたことがあるんですが、その時、記事を書いてくれたライターさんに「実は今こんなことをしているんだ」という話を少ししたんです。ブログにでもしようかな、みたいな感じで。

 そしたらそのライターさんが双葉社の編集さんに話をして、編集さんから電話がかかってきましてね。「黒沢さん、それ、うちから本を出しましょう!」と。そんなわけで書籍化することになったのが15年の頭ぐらいだったでしょうか。当時はまだまだ取材すべき場所も残っていたので、発売も4回ぐらい延期しているんです。

 このご時世に、こんなに厚い本を出させてくれて、ありがたいことです。ただ、まだ載せられていないところもありますし、もっと別の写真も掲載したかったという思いもありますね。自分が最初に現場へ行ったときの衝撃を、なかなか表現しきれなかったなと。充実感はもちろんありますし、情報量を詰め込めるからといって、ウェブ媒体がいいかというと、単純にそうでもないので難しいんですが。

――仕事として始められてから、発行までに2年ちょっとかかったわけですね。

黒沢 これでも仕事になってからは、作業は加速したんですよ。趣味のときはゆるゆるとやっていたんですけど、やっぱ締め切りがあると、人間がんばるじゃないですか(笑)。

 それでも日本中まわらなきゃいけませんし、それにですね、あとからあとから情報が出てくるんですよ! 遠方に行くときは、念入りにしらみつぶしに、情報を事前に調べるんですが、もうこれで見落としはないはず! と思って行っても帰ってくると、土地勘ができたからか、新しい自販機を見つけてしまうんです(笑)。大阪・新潟・山形といったあたりは2度3度、足を運びましたね。取材を終えて執筆作業をしている間にも次々に見つかってしまったんですが。

zihanki03.jpg同じくGoogleマップ。日本にはまだこんなにあるんです

――結局、全部で何カ所ぐらい掲載されているんですか?

黒沢 大体350カ所ぐらいですね。450弱ぐらいは実際に現地へ行っているんですが、行ったらなくなっていた、廃墟になっていたという場所も多かったです。一方でまだまだ発見できていないところもあると思います。

 やっぱり、情報を見かけてしまったものは行かないと……(書籍発行後の)今でもGoogleマップのピンは増え続けています。北信越にはまだ未調査分が結構残っていますからね。新潟だけでもこれだけあるんですよ(ウキウキでノートPCの画面を指差しながら)。これはまた行かなきゃと思っているんです。

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