カーリングがメジャースポーツになるために
なでしこジャパン(サッカー女子日本代表チーム)が準優勝に輝いた、2015年のFIFA女子サッカーワールドカップ・カナダ大会で、当時キャプテンを務めていた宮間あやが会見で、一過性のブームを変える必要を口にした。
その後、なでしこジャパンは、希代のスーパースターで精神的支柱だった澤穂希を失い、16年のリオデジャネイロ五輪への出場権も逃した。監督が交代し、若い選手を積極的に起用するなど変革期にあるとはいえ、以前のように結果が出ない女子サッカーに対する注目度は下がっている。五輪やワールドカップにおいて日本代表が結果を出すことで人気を保ってきたマイナー競技の現実は厳しい。
それは、今回のカーリングにも同じことがいえる。文化というにはまだ早いかもしれないが、それでも「そだねー」や“もぐもぐタイム”という話題から脱却する手段は講じなくてはならない。
平昌五輪の成績をみれば、日本のカーリングは世界に十分通じることが証明された。国内に目を移しても、男子では日本代表のSC軽井沢クラブと好勝負を演じた札幌4REALというチームもある。女子では、昨年の日本選手権を制し、日本代表のロコ・ソラーレ北見と五輪代表決定戦を戦った中部電力もある。そして、その2チームですら、今年の日本選手権では共に別のチームに敗れるくらい国内の競争力は確実にアップしている。そして、今回の平昌五輪での日本代表の活躍により、カーリングを「もっと見たい」「もっと知りたい」「やってみたい」という需要は確実に増している。
「見たい」「知りたい」という需要で考えれば、メディアへの定期的な露出を増やしたいところだ。冬季競技は、どうしても競技の開催時期が限られる。実際は、夏場からカーリングシーズンは始まっているため、各チームの始動はもっと早い。日本で人気の冬季競技であるフィギュアスケートのように、もっと長いスパンで選手や競技を追いかける報道がされるようになれば、ファンの知ろうとする労力は少なくて済む。そうなれば、現在テレビ放送されている日本選手権や世界選手権、軽井沢国際カーリング選手権だけでなく、海外で行われるワールドカーリングツアーも放送されるようになる可能性もある。