チャンネル登録者数は141万人を超え、今や大人気YouTuberである宮迫博之。YouTubeからの広告収入に加え、広告案件がらみの動画からの収入や、盟友である大人気YouTuberヒカルのアパレルブランドからのインセンティブなども含めると『現在の年収は10億円近くあってもおかしくない』とは、宮迫に近いある芸能関係者の言だ。
「吉本を退所したため、YouTuberとしての収益はすべて自分の懐に入る。スタッフを抱えてはいるが、たかが知れてます。だからこそクルマや時計などの爆買い企画をやったりもできるのですが、そんな巨額の軍資金をもとに、現在の宮迫さんがのどから手が出るほど欲しいのが、“番組”。それも、地上波のバラエティ番組クラスの、豪華でメジャー感あふれるものなんです。オリエンタルラジオの中田敦彦と立ち上げたYouTube内トーク番組『Win Win Wiiin』は、宮迫さんが数千万の身銭を切ってセットを作ったそうですが、5月末に始まった『有頂天レストラン』ではそれ以上の自腹を切っているといわれています」(芸能関係者)
5月23日に宮迫自身のYouTubeチャンネル内で配信が開始されたこの『有頂天レストラン』は、進行役にドランクドラゴンの鈴木拓、ゲストにデヴィ夫人をキャスティング。セットや食材も豪華で、確かに地上波のバラエティ番組クラスのスケール感だ。
「内容は『料理の鉄人』をもろにパクったような番組ですが、バラエティ番組の総本山であるTMCスタジオ(東京都世田谷区)で収録し、地上波番組クラスの予算感だといいます。もちろん、宮迫さんが全額自腹を切って制作したわけではないですが、スポンサーも宮迫さんのYouTubeで広告案件動画をやっている企業ばかり。宮迫さんはYouTubeで培った人脈を総動員してでも、この番組に賭けているということがうかがえますね。
ただ、司会進行役として、吉本興業所属の者を含めさまざまな売れっ子芸人にオファーをしたそうですが、やはり吉本側への忖度が働いたのか、なかなか確定しなかったとか。結局、“炎上芸人”の鈴木拓さんをキャスティングするしかなかったなど、なかなか苦戦を強いられてもいるようですね。デヴィ夫人も昨年、関西テレビの生放送で大失言をし、事実上の出禁状態。半年ほどが経ってミソギが済んだのか、テレビやイベントにも徐々に出るようになってはいますが、まだ全盛期の露出量には及ばない。そういうわけで、現在地上波バラエティ番組の第一線で活躍している売れっ子タレントとの共演とまではいかなかったようです」(前出の某芸能関係者)
『料理の鉄人』のようなバラエティをわざわざYouTubeで観たい者がどれくらいいるのか
そんな『有頂天レストラン』の、6月冒頭時点での再生回数は65万回超。一般的にいえばかなり見られているほうだとはいえようが、果たしてコスト的にペイできているのだろうか? YouTubeに詳しいある週刊誌の記者はこう語る。
「この1回だけでペイしようなどとは宮迫さんも思ってはいないはずですが、『Win Win Wiiin』に比べると再生回数は低いですし、あまり話題にもなってません。そもそも、『料理の鉄人』のようなバラエティをわざわざYouTubeで観たいという人がどれぐらいいるの?……という話ですよ。『Win Win Wiiin』は企画も構成もアナーキーで、ネットでしか見れないコンテンツとして非常に価値があった。しかし、今回の『有頂天レストラン』は、昔ふうのただの料理バラエティでしかなく、それを訳アリ芸能人たちで切り盛りしてるだけなので、正直かなり時代錯誤な番組だとしか思えません。
もはや吉本への復帰はあきらめたのであろう宮迫さんが、YouTubeでの成功で築き上げた人脈と軍資金を総動員して、“テレビへの未練”をカタチにしただけなのではないでしょうか。同じく人気YouTuberのカジサック(キングコングの梶原雄太)も『いつか自分がスポンサーになって番組を立ち上げたい』と語っていますが、YouTubeでテレビバラエティの焼き直しをしてもしょうがないのでは?と僕は思ってしまいますね。テレビではできないことをやるのがネット動画の世界だったはずですが、最近ではYouTube界にいろんな芸人やタレントが増えすぎて、テレビっぽい動画が増えた印象です。今回の『有頂天レストラン』はその代表例として、ある意味では後世に残るかもしれませんね」
売れっ子YouTuberによる豪華な新番組からにじみ出てくる、“テレビへの未練”。元売れっ子芸人、宮迫の孤独な闘いはまだまだ続きそうだ。