阿部寛が主演を務める連続テレビドラマ『下町ロケット』(TBS系)。11月25日に放送された第7話は、前回よりも1.1ポイント減少の12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。
第7話では、帝国重工の次期社長候補・的場俊一(神田正輝)の方針によりトランスミッションとエンジンは自社で製作することが決定され、佃製作所のトランスミッション事業は頓挫。佃製作所はすでに長年取引を行ってきたヤマタニ製作所との契約も終了させていただけに、一気に経営危機が訪れてしまった。帝国重工・宇宙企画推進グループ部長・財前道生に抗議するも、的場に圧力をかけられている財前にはどうすることもできない。
そのうえ佃製作所を切っておきながら、無人農業ロボット研究の第一人者である野木博文(森崎博之)には協力してほしいと、佃航平(阿部)に説得を依頼。佃が関わるということで帝国重工に協力することを引き受けた野木は、当然ながらその依頼を断ったが、佃は無人農業ロボットを世に出すためだと野木を説得したのだった。
しかしその後、財前さえも的場からの圧力を受けて無人農業ロボット事業から外されてしまう。そして裏では、以前に野木から技術データを盗んだキーシン社長の戸田譲(甲本雅裕)と佃を裏切ったギアゴースト社長の伊丹大(尾上菊之助)、そしてダイダロス代表取締役の重田登志行(古館伊知郎)、北堀企画社長・北堀哲哉(モロ師岡)が怪しい会合を開いていた。
帝国重工の的場は本格的に無人農業ロボット「アルファワン」のプロモーションを進めていったのだが、次の日にテレビで報道されていたのは「アルファワン」ではなく「ダーウィン」という無人農業ロボット。これこそが重田らが画策していた秘策であり、これには的場も怒りを露わにし、重田らが本気で帝国重工を潰しにきたことに佃も気が付いたのであった。
帝国重工の的場からひどい仕打ちを受けてきた重田や伊丹によって、いよいよ来週からは“復讐プロジェクト”が始まるという。しかし、やり方は汚くても“復讐”という信念を持っている重田と伊丹、そして農業ビジネスに並々ならぬ熱意を注いでいた財前、無人農業ロボット開発一筋を貫いてきた野木らには、貫いている想いがあった。それに対し、佃は思い付きでトランスミッション事業に乗り出し、ギアゴーストのために利益にならない裁判に自ら足を突っ込んだかと思えば最終的に裏切られてしまう始末。帝国重工のトランスミッション事業からも梯子を外され、まさに崖っぷちの状態だ。
そのうえ、今回も佃は夢を語っているだけで、実はまったく何もやっていないただの傍観者であった。すると視聴者からも「佃航平は何がしたいの?」「社員ばかり振り回して佃って無能なの?」などの声が噴出。悪役と対立させたいがための展開に「前作よりも面白くない」「次から次へと悪いことばかりでうんざり」「イライラするドラマだ」などの声もあがる事態となっていた。
ただ威張っているだけの的場が「無能」という指摘は以前からあったが、ここにきて佃にも「無能」というレッテルが貼られてしまう事態が発生。人情が熱いだけでは社員たちが路頭に迷ってしまうだけに、シビアに見ている視聴者も多いようだ。
ちなみに『下町ロケット』放送終了30分後にスタートする連ドラ『今日から俺は!!』(日本テレビ系、日曜午後10時30分~)は、回を重ねるごとに注目度が高まり、ついに25日放送の第7話では平均視聴率10.6%と初の2桁を記録。この勢いが続けば『下町ロケット』に逆転する可能性も十分にある。
両ドラマの視聴率争いにも注目していきたいところだ。
(文=絢友ヨシカ/ライター)