ジャニーズ事務所は“膿”を出し切ったか?
確かに、なし崩し的に解散に至ってしまい解散コンサートすら行われなかったSMAPと、今回の嵐の活動休止とでは、実際の状況のみならず、取り巻く世間の雰囲気にも雲泥の差を感じる。いまだ解散の真相を語らないSMAPに比べて、アイドルとしてすべてをさらけだした感もある嵐には、いつも通りの笑顔があった。
しかし、「嵐の活動休止が後続グループに与える影響は甚大」だと語るのは、同じくジャニーズ事務所に近い芸能関係者だ。
「やはりグループは、10年を超えればどうしても不協和音が出てくるし、それは仕方のないこと。むしろ20年もよくやったほうだと思います。なので嵐の活動休止は、ジャニーズ事務所における今後のグループマネージメントの基準になるのではないか。今後は、先日引退し新会社『ジャニーズアイランド』の社長に就任した滝沢秀明を中心に新グループを量産し、若いファン層の獲得に専念する。TOKIOやV6ではCDのセールスは見込めず、Kis-My-Ft2やNEWSなど中堅グループも伸び悩むいま、“CDも売れてコンサートに客が入る”グループをつくるのが最優先課題。そのためには、より若いファン層の開拓が急務ですから。
現時点でジャニーズ事務所が儲かっていないわけではまったくないですが、ここからビジネスをさらに拡大していくためには、新陳代謝をよくする必要があったともいえる。2016年のSMAP解散から始まったさまざまな不祥事や、タッキーの引退、渋谷すばるの脱退など、集中的にいろんな“膿”が出たのは、ある意味において今のジャニーズを象徴していると思いますね」
アイドル帝国がひた隠しにしてきた“アイドルの膿”は本当に出つくしたのか? “嵐”が過ぎ去るその前に、まだまだ“膿”が出てきそうな気がしないでもないが……。
(文=藤原三星)
●藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara>