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2023.07.11 16:16
2014.10.15 00:01
碓井広義「ひとことでは言えない」(10 月15日)
ローカル局が熱い?活発化するテレビの挑戦 視聴率競争とは一線、地域と併走する意欲的試み
●ヒューマニズムに訴え続けた20年~日中韓共同制作による相互理解~(福井テレビ)
ローカル局と海外の放送局との共同制作は決して珍しくない。だが、それを20年間続けているケースは稀有であり、おそらく大変な努力が必要だったはずだ。しかも、近年、国と国の間に様々な課題が発生している中国と韓国がパートナーである。
政治や外交の問題に踏み込めば困難だった共同制作を、相互理解を目標に、ヒューマンと文化に徹することで実現してきた。そこから、いわば潤滑油のような効果が生まれ、地域ならではの国際交流にまで発展している。
ビジネスという側面だけでは測れない意義や価値を大切にし、この取り組みを継続しようとする姿勢を評価したい。
●報道キャンペーン「暮らしの防災」と、防災・減災を伝える放送外活動(名古屋テレビ)
東日本大震災以来、全国の放送局が、地域の「防災・減災」に関する活動を一層強化している。その中で名古屋テレビの事績が突出しているのはなぜか。端的に言えば、「南海トラフ地震は起きる」という覚悟であり、ハラのくくり方である。
「来るかもしれない」ではなく、「かならず来る」を前提とした取り組みは、極めて具体的かつ生活密着型だ。しかも、防災・減災を暮らしに取り込む「平時の備え」の大切さを、放送だけではない多様な手法で繰り返し伝えている。地域の放送局として、真剣に地域住民の命と財産を守ろうとする決意がそこにある。
(文=碓井広義/上智大学教授)
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