その後、もう1人の日本人男性と日本語学校関係者の女性も拘束されていることが明らかになり、この4人はいずれも民間人だという。事の詳細には不明点も多いが、いずれにせよ民間人がスパイの疑いで拘束されるとは、穏やかではない。
「日本人は旅行先で建物や風景に感銘を受けた際、記念として写真や動画に収める人が多いですが、世界ではそういった常識が通用しないケースが数多くあるのです」
こう語るのは、8月に『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(講談社)を上梓した我妻弘崇氏だ。今回は我妻氏に
・日本人が知らない海外のマナー
・海外旅行で気をつけるべきポイント
・海外でNGな言動
などについて聞いた。
記念撮影のつもりがテロリスト扱いに?
–海外で撮影をする際、どういったことに気をつければいいのでしょうか。
我妻弘崇氏(以下、我妻) 防衛上、どの国も撮影に関する規制は重要で、旅行者といえども例外はありません。特に中国は中国共産党の影響下にあるため、今回のような軍事施設の撮影は十分に気をつけないといけません。そもそも、世界では空港やターナミナル駅での撮影を禁じている国が多く、テロ対策に心血を注ぐ国では、その傾向が顕著です。こうした国では、空港や駅の内部を撮影されることは、テロリストに対して無防備になるのと同義ととらえています。そのため、カメラを構えると警備員が飛んでくるのは当然なのです。
–しかし、日本人にとっては「記念写真=旅の思い出」といってもよく、旅行先で撮影するのは当たり前です。
我妻 訪問した国の法律で禁止されている場合、空港や駅構内での撮影はやめたほうが無難です。どうしても撮りたい場合は、スマートフォンなどで外観を遠くから、さりげなく撮る程度にとどめてください。一眼レフなどの仰々しいカメラを構えると、海外では“金持ちアピール”になるため、物盗りの格好の餌食にもなってしまいます。撮影可能な場所であっても、身を守るためには、スマホで撮るのが一番リスクが低いといえるでしょう。
『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』 アジアは、安くて早くてためになる! 世界一周をはじめとした長期旅行ばかりがもてはやされる海外旅行に、土日+有給の超弾丸日程で行ってしまおうというのが、本書からの提案である。会社を辞めなくてもいい。大金を稼いでいなくてもいい。上司に有給を申請し、LCCで格安航空券を予約し、SIMフリーのスマホを持って、気楽に“ちょっとそこまで”出かけてみれば、驚くほど簡単に世界の広さを知り、国内では決して得られない莫大な経験値を獲得することができるのだ。目的の明確な旅は、最高の息抜きとなり、仕事力のトレーニングとなる。さあ重い腰をあげて、まずはアジアに行ってみよう。週末だけのバックパッカー、かなりおすすめです。