知らないと怖い、ハンドサインの意味
–日本では当たり前に行っているハンドサインやジェスチャーも、海外ではNGのケースが多いと聞きます。例えば、イギリスでは「裏ピース」が「中指を突き立てる」と同じ意味になるため、注意が必要ですね。
我妻 フランスでは、親指を立てる「オッケー」の仕草が「お前は役立たず」の意味となり、いわゆるガッツポーズは「ファックユー」のサインになります。ギリシャでは、「手のひらを相手に向ける行為」が「お前は犯罪者」という意味にとられます。タクシーを呼ぶ時、うっかり手のひらを運転手に向けてしまうと、運転手が不機嫌になるばかりか、止まってくれない場合もあるので気をつけてください。
–「人さし指で相手や物を指す」という行為も、多くの国で失礼にあたるジェスチャーです。
我妻 例えば、ショッピングで欲しいものを店員に伝える時、日本人はつい人さし指で品物を指してしまいますが、海外では店員の機嫌を損ねてしまう可能性が高いです。海外では、自分自身を指す場合も、人さし指ではなく親指を使うことを心がけたほうがいいでしょう。もし、お礼や謝罪などのジェスチャーで困った時には、悪く解釈する人がほとんどいない「拝み手」が無難です。
まだあるNGな言葉や行動
–食事や移動など、日常のシーンで気をつけるべきことはなんでしょうか。
我妻 イタリアでは、料理を出された時に調味料やチーズの追加を求めてはいけません。料理人に対する冒涜になることがあるからです。また、トルコでは食事中にナイフを手渡しするのも控えたほうがいいでしょう。「決闘の申し込み」という意味になるため、ナイフを渡す時は一度机に置きます。シンガポールでは、「地下鉄にドリアンを持ち込むと罪になる」という有名な話がありますが、電車内で飲食をするだけで罰金を取られる上、懲役刑になる恐れもあります。駅構内で持参のミネラルウォーターを飲むだけでもいけません。
–宗教的に厳格な国で注意すべきポイントはなんでしょうか。中東では、さりげない接触や、少し肌が触れただけでも問題視する国もあると聞きます。
我妻 中東の国々、特にサウジアラビアでは人前で男女が手をつなぐ行為はタブーで、夫婦でもダメです。プライベートではいくらイチャついても大丈夫ですが、人前では必ず距離を置いたほうがいいのです。また、タイでは「他人の頭をなでる行為」がNGです。タイ人にとって、頭という部位は「神が宿る神聖な場所」だからです。地位の高い僧侶でもない限り、何気なく子供の頭をなでただけでも「この子の初めてを奪った」とみなされ、敵意を向けられるので気をつけてください。
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