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Pasco超熟「衝撃的に長い食パン」、なぜ市販?意外に豊富な利用法

文=佐藤勇馬
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敷島製パン「超熟ウインドスライス」(「amazon.co.jp」より)

 Pascoのブランド名で知られる敷島製パンの人気食パン「超熟」シリーズに驚きのレア商品があると話題になっている。3斤分がスライスされずにそのまま売られている“なが~い超熟”の写真がSNSで拡散され、大きな注目を集めているのだ。

 Pascoを展開する敷島製パンは、製パン業界で山崎製パン、フジパングループに次ぐ国内3位に位置し、とりわけ食パンで大きなシェアを占めている。1998年に発売した「超熟」シリーズは、もっちり・しっとりした食感で人気が高く、同社を代表するヒット商品となった。

 話題の発端は、X(旧Twitter)で2月上旬にあるユーザーが「超ーーーー熟。こんなのあるんだね」というコメントと共に商品の画像を投稿したこと。焼き上げた後に食パン型から出した状態のままとなっており、ネット上で「こんなサイズの超熟あるんだ…!」「でっか、なっが!」「一瞬食パンみたいな柴犬かと思ったw」といった声が飛び交い、5万件以上の「いいね」が集まった。「超熟に知らないラインアップがあった」「そもそもこんな長い食パンが売られているとは」といったことに驚愕した人が目立っている。

 その一方で「昔のお店はこのサイズのパンをその場でスライスしてくれてた」「今は見なくなったけど、3斤パン懐かしいな」という意見も。時代の流れであまりなくなったものの、かつてはこのサイズの食パンが売られているのは当たり前だったようだ。

「ハニトー」を家で再現も可能

 この珍しい“なが~い超熟”はどんな経緯で作られた商品なのか。敷島製パンの担当者に聞いた。

「“長い超熟”は『超熟ウインドスライス』という品名の商品で、商品名に冠した『ウインド』という言葉は、『ウインドウショッピング』から名付けられたものです。かつてPascoの販売店様では、このような食パンを店頭でスライスして提供しており、その様子を眺めることができたことから『ウインドスライス』と呼んでいます。『超熟ウインドスライス』の発売は1999年ですが、その発売以前から別の食パンにて、このような3斤サイズの形状での販売を行っていました。なお、現在お客さまのご注文を受けてその場でスライスするサービスは行っておりません」(担当者)

 「超熟ウインドスライス」の取扱店舗は限られていて、具体的な販売店などは「ご案内が難しい状況」とのことだが、ネット上では「モーニング文化だからか、名古屋のスーパーでは割と普通に売っている」といった声も。名古屋の喫茶店のモーニングは、通常のスライスではない「超厚切り食パン」が出ることが多く、そういった需要があるようだ。ちなみに価格はオープン価格だが、楽天市場では777円で販売されている。

 業務用だけでなく一般向けにも流通しているが、一般家庭ではどのような活用法があるのだろうか。

「気分に合わせてお好みの厚さにスライスできることが特長です。例えばカフェのような厚切りのトーストメニューを作ることもできますし、中をくりぬいてシチューを入れたり、切れ目を入れて具材をはさんだりしてもお楽しみいただけます。大きめにカットして料理していただくと、見た目にも華やかでパーティーメニューにもおすすめです」(同)

 「超熟ウインドスライス」の活用例として、同社のホームページでは「カフェ風ハニートースト」や、切り込みを入れてホワイトソースやチーズ、ベーコンなどを加えて焼き上げる「プルアパートブレッド」などのレシピが公開されている。このパンがあれば、カラオケパセラの名物「ハニトー」を家で再現することもできそうだ。

 今回話題になった写真を投稿したユーザーは「せっかくなのでビーフシチュー入れて焼いてみた」と、おいしそうな調理例を紹介している。スライスされていないがゆえに自由度が高く、さまざまな活用法がありそうだ。

(文=Business Journal編集部)

佐藤勇馬/フリーライター

佐藤勇馬/フリーライター

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

Twitter:@rollingcradle

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