女子の4人に1人は恋人のケータイをチェック! LINEがしんどい恋愛生む
2015年9月30日、筆者の新刊『恋愛しない若者たち ~コンビニ化する性とコスパ化する結婚』(ディスカヴァー21)が出版された。テーマは「恋愛しなくても、結婚はできる!」。
ここ数年、20代男女から、「恋愛は面倒」「コスパに合わない」との声をよく聞く。一方で、9割の若者は言うのだ。「いつかは(恋愛)結婚したい」と。
この矛盾を解消するためには、「結婚に恋愛は要らない」と、いったんスパッと切り離して考えるしかない。それが本書を執筆したきっかけだった。
いまや20代の若者の7割が「恋人なし」。しかもその4割が「恋人は要らない」と言い切る。今年のクリスマスも、20~30代独身男女のなんと68%が、「クリスマスは一人で過ごす「クリぼっち」」だと答えた(2015年 レオパレス21調べ)。
ひとり暮らしの男女に限った調査とはいえ、あまりに多い数値である。もはやクリスマスとて、バブル期のように「恋人がいないとヤバイ」「カップルで過ごすのが当たり前」という時代ではない。クリぼっちが当たり前なのだ。
「ひとりでも寂しくない」時代になった理由のひとつに、SNSの普及が挙げられるだろう。たとえば、今年もクリスマス前から、ツイッターでは「♯クリぼっち」というハッシュタグがあふれた。イヴにも多くの若者たちが「今日ひとりやねん」「クリぼっちなう」などとつぶやき、二次元の友達同士でゆるい連帯感を共有していたようだ。
ただ、友達同士あるいは「恋愛未満(ウィル彼など)」の間はそれなりに心地よいSNSも、いざ彼氏・彼女となった途端、面倒で危険な“恋愛リスク”へと発展する。
その一例が、自分がその男性のスマホやSNSをつい見てしまい(SNS嫉妬)、別の女性とのやりとりに焼きもちを焼いたり、あるいは逆に、その男性にスマホやSNSを見られ(SNS探偵)、嫉妬から逆切れされたり変な噂を立てられる、といったリスクだ。筆者が拙著『恋愛しない若者たち』執筆にあたり取材した20代男女の多くが、この「SNS嫉妬」や「SNS探偵」を恋愛リスクと捉え、自分が被害者の場合はもちろん、加害者となった時であっても、恋愛を「もう嫌だ」「面倒だ」と感じさせる要因になっていた。
恋愛や結婚に関する情報提供を行っている株式会社オープンサイトが運営するHP「恋愛図鑑」で14年に実施した調査でも、「恋人の携帯電話をチェックしたことがある」男性は18%、女性は26%。男性は2割弱だが、女性は4人に1人以上となった。男女ともに「浮気」などの不安を解消するために見てしまうそうだ。
もっとも、誰かを好きになれば、相手のことを「もっと知りたい」と思うのは自然の流れ。その延長線上で、ふと気づいたら「彼氏のケータイを盗み見てしまった」という女性も少なくないだろう。