女子の4人に1人は恋人のケータイをチェック! LINEがしんどい恋愛生む
嫉妬はコントロールできる
一方で、好きな人のことを「もっと知りたい」と思う気持ち自体は悪いものではない。宇都宮大学教育学部で心理学を教える准教授・澤田匡人氏は、「むしろ当然のことだ」と話す。
15年2月、脳科学者・中野信子氏と『正しい恨みの晴らし方』(ポプラ社)を出版した澤田氏は、妬みや嫉妬といったネガティブな感情の研究でも知られる。
そんな澤田氏いわく、「妬みと嫉妬は別物」。たとえば、交際中に「彼氏(彼女)が別の異性に取られるのでは?」と不安になって、ついSNSをチェックする行動は、妬みではなく嫉妬だという。
すなわち、恋愛を例に取ると、
・「妬み」=関係性を持ちたい相手と交際している人に対して抱く感情
・「嫉妬」=関係性を持っている(交際している、あるいは交際してると思っている)相手に抱く感情
このように分けられ、前者は「自分が持っていないものを持っている相手に抱く感情」、後者は「自分が保持しているものが奪われること」に対して、怒ったり、不安になることを指すという。
澤田氏は、嫉妬という負の感情について「多少のコントロールはできるかもしれない」としながらも、「感情そのものをなくすことはできない」と話す。ただ、嫉妬している自分に気づくのは大事なことだとも言う。一体なぜなのか。
それは、嫉妬をしている自分に気付けば、それを「相手との関係性」を見直すきっかけにすることもできるからだ。
そもそも嫉妬とは、「親子関係」から生まれた感情だと澤田氏は言う。子どもは、大好きなお母さんにずっと自分を見ていてもらいたくて、いろいろとアピールする。そのモチベーションのひとつとなるのが、まさに嫉妬心。言い換えれば、嫉妬は二者の関係性を維持するための、大事な感情のひとつだという。
「嫉妬するということは、それだけ相手が自分にとって大事な存在だということ。その感情によって、『さほど意識していなかったけれど、自分はこの人のことをこれだけ好きなんだ』と、あらためて気づくこともあるでしょう」(澤田氏)。
それゆえに少し見方を変えて、その大事な関係から得られるもの、失われるものなどを考慮し、結果「自分がその人との関係をどうしたいのか」を自問自答してみるといいかもしれないという。