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「もう結婚に恋愛は要らない! ~恋愛しない若者たち」

女子の4人に1人は恋人のケータイをチェック! LINEがしんどい恋愛生む

文=牛窪恵/マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締役 編集=平澤トラサク/インフィニティ

SNSが感情を高ぶらせる?

 ただ、一旦そんな自分に気づいてしまうと、「なぜあんなことをしちゃったんだろう」と、SNS嫉妬から自己嫌悪に陥る女性も数多い。あるいは、SNS探偵にケータイを見られた側は、「恋愛は怖い」「二度としたくない」とさえ感じてしまう。

 筆者が取材した20代の男女も、多くがそんな恐怖を口にした。

 一体どうすればSNS嫉妬やSNS探偵から逃れることができるのか。

 立命館大学の産業社会学部・准教授の斎藤真緒氏は、「そもそも、2人きりのメールやSNSなど、他人の目が入りにくい密室性は恋愛リスクを招きやすい」と話す。

 皆さんも経験があるだろう。たとえば、周りに友達や知人がいれば、恋人同士が罵倒し合うようなことはまずない。しかし、2人だけでメールやSNSでやりとりする場合、特にLINEのようにタイムラグが少ないメディアでは、カッとなった感情がそのまま書き込みに表れやすい。面と向かって言えそうにない言葉でさえも、つい発してしまったりする。

 SNSで親密すぎる関係が続くのも問題だ。LINEなど即時性の高いメディアは、つい相手を拘束しがちで、ベッタリした「しんどい恋愛」を築きやすい。やりとりもスピーディに行われるゆえ、「自分の気持ちを、落ち着いて振り返る機会が減っている」と斎藤氏は分析する。

 たとえば、「すぐに恋人から返事をもらいたい」と思ったとき。相手の返信が遅れたり、既読スルーが続けば、「なぜ?」と感情が高ぶる。「私(僕)はこんなに悩んでいるのに、なぜ返事がないのか」と思ってしまう。すると相手が何をしているかが気になり、しょっちゅうSNSをチェックしたくなる。そしてしだいに「SNS探偵」へと向かってしまうのだろう。

 では、こうした「負」の感情をコントロールすることはできないのか。

 斎藤氏の専門は家族社会学だ。家族の在り方・かかわり方をはじめ、恋愛においても社会的な問題として捉え、参加型のワークショップ「恋愛ismプロジェクト」も主催している。若者たちが「自分自身の恋愛観や男女関係について見つめ直す試み」に取り組んでいる。

 たとえば、恋愛における「デートのお金」や「相手にNOと言えるかどうか」などについて話し合いをする。

 恋愛では得てして、恋人と1対1で双方の価値観をぶつけやすいが、ワークショップ参加者たちは複数でほかの若者と意見交換することで、自分の恋愛について少し立ち止まって考え振り返る。

 すると、自分が恋愛で陥りやすいポイントに気付き始め、「これまで自分は恋愛について真剣に考えてこなかったな」と反省したり、「自分はどういう恋愛をしたいのか」を突き詰めて考えるようになるそうだ。

牛窪恵

牛窪恵

マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締役。1968年、東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。5年間の編集およびPR担当の経験を経て、フリーライターとして独立。2001年4月に、マーケティングを中心に行う有限会社インフィニティを設立。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系列)、『キャスト』(朝日放送系列)、『あさナビ』(テレビ朝日系列)などに出演中。トレンドやマーケティング関連の著書が多数あり、「おひとりさま(マーケット)」(2005年)、「草食系(男子)」(2009年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネートされた。近著は『アラフォー独女あるある! 図鑑』(扶桑社)。

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牛窪恵【公式ブログ】

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