賃貸住宅の繁忙期も佳境に入り、すでに新たな住宅へ転居された方も多いのではないかと思います。今回は防犯、特に防犯意識についての話題です。
退去も多いこの時期ですが、先日、久しぶりに賃貸物件の退去立会いに行ってきました。いつも退去立会いで気になるのは、入居者の部屋の使い方です。これは毎回行って見ないとわかりません。綺麗好きそうな女性が住んでいたにもかかわらず、部屋が汚かったり、ズボラそうな男性入居者が意外なほど綺麗に使っていたりと驚くことが結構あります。
今回、特に気になったのが玄関鍵の使い方でした。実は、2年ぐらい前にも同じようなことがあったのですが、「またか!」という印象が強かったので紹介します。
対象のアパートは、都内の私鉄沿線の駅から10分以内と立地も悪くなく、前の道路はそれなりに人が通る場所にありました。驚いたのは、防犯のために設置してある「Wロック」(玄関ドアに鍵穴が2つあり、1本の鍵で2カ所鍵が掛けられるもの)のうち、ひとつがまったく使われていませんでした。
具体的には、取っ手の下側の鍵穴に、新築時に貼る「未使用シール」がまだあったのです。これまで住んでいた方は新築から2年で退去したので、2年間このままだったということになります。
防犯対策のためのWロックを2年間使っていなかったということは、入居者の「防犯意識」が低い気がします。
空き巣被害がもっとも多いのは4月
ところで、空き巣被害が多いのは何月でしょうか。警察の発表の大半は、「窃盗犯」という大きな括りになっているため、空き巣や忍び込みといった「住居侵入型」に限定した統計が見当たりません。数少ない資料のひとつが、警視庁統計の「窃盗手口別認知件数(月別、時間帯別)」です。2013年の資料によると、空き巣や忍び込みといった窃盗犯罪が最も多いのは4月でした。
詳細な理由はわかりませんが、この時期に窃盗被害が多いのは、新しい住宅に移転してなんとなく隙がある時期なのかもしれません。
いずれにしても、Wロックなどの防犯対策をきちんと使用していないというのは、被害者側の防犯意識が低いといえます。そのような隙が狙われる原因なのではないでしょうか。
それでも、最近は防犯意識も少しずつ高まりつつあり、「オートロック」や「Wロック」がある物件を探す方が増えています。
ちなみに、件の未使用シールを貼りっぱなしの部屋に住んでいたのは女性でした。都内に住むには危機感が薄すぎると感じます。