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望月理恵子「耳が痛い食の話」

ダイエット、“食べ過ぎ”を無意識に回避できる3つの方法…小さな食器、重い食器、生食

文=望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士
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「Getty Images」より

 多くの方が1度は経験のある減量のためのダイエット。そして挫折した方も多いのではないでしょうか。

 減量のメカニズムはとても単純なもので、摂取エネルギーよりも消費エネルギーが上回れば、体重は下がります。つまり、食べる量よりも動く。しかし、単純だけれど難しいことですよね。

 食べるコツを知ることで、もしかして今までの挫折を乗り越えることができるかもしれません!まずは、消費エネルギーを無理なく増やすための方法をご紹介いたします。

ダイエットに失敗する多くの理由

 減量に失敗する理由には、大きく2つあります。

(1)極端な食事制限

「明日からダイエット」と決めて、今までの食事よりも極端に量を減らしてしまいがち。急に胃に入る食べ物の量が減ると、満足感なく、胃がストレスを感じ、食べたい欲求が増え、ダイエットに失敗しがちになります。

 また「ケーキはやめよう」とすると無性にケーキが食べたくなったり、制限していると、なぜか食べたい気持ちが膨らみやすくなります。これは心理学では「カリギュラ効果」と言われており、ダメということに対して、ついしたくなってしまう心理現象なのです。

(2)空腹感、飽きといった不満

 極端ではなくとも、食事量全体が減ると、やはり空腹感を得やすいもの。その空腹感に耐えられず、つい食べ物に手が伸びてしまうという繰り返しになれば、やはり体重は思ったように減りません。また、こんにゃく、野菜などヘルシーなものばかりではやはり飽きてしまいがち。

 このように、ダイエットでは制限を極力減らし、満足感、飽きがこないようにすることが失敗を減らせるコツになります。

五感で変わる食欲

 食べたいという気持ちは、“お腹がすいた”ということはもちろんですが、五感も影響しています。視覚、嗅覚、味覚、聴覚、触覚を活かした食べ方をすると、少量でも満腹感を感じやすくなります。

生食材のものを取り入れる

 生のものは比較的食べ応えがある状態で食べられます。野菜を食べる時は、生のものを食べたり、茹でても食感を残すようにサッと火を通すようにすると、噛んで、音が出ることで触覚や聴覚を楽しむことができます。また、旬食材は香りもよく、嗅覚を刺激することができます。

小皿で食べる

 大皿の真ん中にチョコっと料理を載せるのはオシャレですが、小さいお皿に山盛り載せると、たくさん食べた感覚になりやすいです。また、エビや串料理は、尻尾や串が残り、食べた量がわかるので、視覚から食べ過ぎを防ぐことができます。さらに、大きなスプーンやフォークは1度に食べられる量が多くなるので、小さめにすると、口に運ぶ回数が増え、食べる時間が長くなり、満腹感も得やすくなります。まずはご自宅のお茶碗を大人用から子供用に変えるのも良いですね。

重いお皿で食べる

 同じ料理を、軽いお皿と重いお皿で食べた場合、重いお皿で食べると、味を濃く感じ、満足感を得やすいという研究があります。味がしっかりすることは、味覚を刺激して満足感が得やすくなります。

 逆にテレビをみながら、本を読みながらといった“ながら食い”は、食事に対しての五感が得にくくなるので注意しましょう。

 食べて満足すると、体には「オキシトシン」といういわゆる幸せホルモンが分泌されます。そのため、食べることに快感を得て、また食べたいという行動になりやすいのです。少しの食事量でも幸せホルモンを分泌させやすくするために、賢い食事法でたくさんのオキシトシンを分泌できると良いですね。

 摂取エネルギーを減らしたら、消費エネルギーも意識してみましょう。動くと交感神経が働き食欲抑制ができ、また筋肉をつけることで、さらに痩せやすい体づくりになります。

(文=望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士)

望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士

望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士

株式会社Luce代表、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員。ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。

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