「セリア」は100円ショップ業界で現在第2位の地位を築いているブランド。そのモダンかつナチュラルなデザイン性は業界でもトップクラスを誇っており、“100円ショップならセリアじゃなきゃいや”というユーザーまでいるほどだ。
その売上高は2020年3月末時点で1814億7600万円を記録しており、これは3年連続の上向き成長。付随するように店舗数も直営店が1633店舗、FC店が46店舗と拡大を続けている。
評判上々なセリアだが、すべての商品が高品質で高コスパな良品のみ……というわけでもない。今回、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、セリアの商品を独自リサーチ。「今買わないほうが良い、セリアのがっかりグッズ」5選を紹介する。
シリコン 鍋つかみ/110円(税込、以下同)
まず紹介するのは、セリアの「シリコン 鍋つかみ」だ。一気に冷え込んできたこの季節、体を温める鍋料理にチャレンジする人も少なくないだろうが、そんな時のサポートアイテムとして、この商品を選ぶのは少々考えものかもしれない。
この商品のすべてが悪いというわけではない。断熱性に優れたシリコン製の鍋つかみは伸縮性もよく軽量で、使い勝手もなかなか良い。側面にはS字フックなどに引っ掛けられる輪もついていて、収納面にも気が配られている。
では何が懸念点かというと、実際使ってみるとわかるのだが、本品の長さは指先をカバーできる分しかなく、それゆえ鍋などの重いものでも指先の力でしか持つことができないのだ。親指の付け根まで使ってしっかり物を持ちたいときに無理すると、肌が熱い鍋に触れて思わぬやけどにつながる危険性もあるので、購入には慎重にならざるを得ないだろう。
リボンペアブルーム/110円
季節の変わり目にお部屋をさっぱり掃除する人も多いだろうが、そのときに使うお掃除用具は時短になるものを選びたいところ。であるならば、セリアの「リボンペアブルーム」はデメリットのほうが大きい商品といわざるを得ない。
この商品、ブラシ部分とちりとり部分がセットになったお値段110円というお手頃なお掃除キットなのだが、その使い勝手が非常に悪いのだ。というのも、ブラシの柄の部分に白いリボンモチーフの留め金がついており、使うたびにこれを取り外さなければならないのである。おまけに柄の部分自体もリボン状ゆえに、かなり持ちづらい。
また、そのインパクト抜群のパステルイエローとファンシーすぎるリボンのデザインは、おしゃれさが売りのセリアの商品のなかでは、正直かなりダサい印象がある……。デメリットを飲み込んでまで本品を使うよりは、別の商品を選んだほうが懸命だろう。
キッチンシャワー/110円
次に紹介するのは、水周りで活躍するという触れ込みのアイテム「キッチンシャワー」だ。この商品、蛇口の先端に取り付けて本体の切り替えレバーを動かせば、出てくる水流を直流とシャワー状に切り替えられるというのだが、いくつかの問題を抱えている。
まず、スチロール樹脂製の切り替えレバーが非常に簡素なつくりで、切り替えの安心感が薄いのだ。実際パカパカと水の仕切りが空いてしまい、シャワー状態にしているのに、中心部分から中途半端に直流状態で水が流れることも、しばしばだった。
また、これは好みの問題かもしれないが、デザインがさすがに子供っぽすぎる印象だ。パステルイエローのカラーリングにお耳のついたキュートなクマちゃんを模したデザインは、ほとんどのキッチンで悪目立ちしてしまうのではないだろうか……。
虫よけマスキングテープ/110円
夏が終わりを迎えたとはいえ、一部の地域ではまだ蚊が飛んでいるなんて声も多い。とりわけガーデニングなどする人にとって虫対策は必要だろう。さて、100円ショップにはいくつかの虫よけグッズが並んでいるが、この「虫よけマスキングテープ」は少々難ありのアイテムだ。
その虫よけフレグランスが染み込んでいるテープを、通常のマスキングテープのように、剥がして・切って・貼り付けて使う本品。柄もセリアらしくモダンで老若男女問わないおしゃれなシェブロン柄で魅力的。決してすべてが悪いというわけではない。
問題なのはその容量の少なさ。通常のマスキングテープよりはるかに長さが短く、たった3m分しかないのだ。そもそも、虫を遠ざけるのが使用者の体ではなく、テープを貼り付けた道具というのもいささか疑問が残る……。シンプルに虫よけスプレーを買ったほうが確実だろう。
メタルピンブラシ/110円
最後に紹介するのは、身だしなみを整えるのに欠かせないヘアブラシだ。「メタルピンブラシ」という名のこの商品、その名の通りピン部分がステンレスの金属製になっており、髪を梳かしたときに、秋・冬に起きがちな静電気を防いでくれるという触れ込みなのだ。
実際使ってみると、確かに髪が静電気で逆立つこともなく、効果的には納得する部分もあった。しかし、問題点はそのメタルピンを留める根元の部分にあったのである。これは、SNS上でも同様の報告が見られた事態なのだが、使っているとピンが刺さった根元がボロッと取れてしまうのだ。
髪を梳かす際にある程度必要なピンの弾性が、ステンレスという材質上確保しづらく、そこを補うために根元自体を柔らかいゴム状にしたために起きた悲劇だろう。ゴム製の根元は柔らかすぎるがゆえに、使っているとブラシ本体からねじれるように取れてしまうことがあるのだ。静電気防止のメリットは捨てがたいが、壊れてしまうのであれば他のブラシを買った方が良いといわざるを得ない。
今回は残念グッズを紹介してきたが、実際のところセリアにある商品のほとんどは高品質低価格な良品ばかり。「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が選出した商品に気をつけつつ、秋の賢い買い物ライフを楽しんでほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※2020年9月中旬時点の情報になります