日を追うごとに冷え込みが増す季節だが、スーツ量販店も続々と秋冬アイテムを投下している。コロナ禍でテレワークが浸透したとはいえ、まだまだ出社することも多く、さらに自宅でのリモート会議でもフォーマルな格好が求められる場合もあるだろう。
また、スーツ量販店でも近年はカジュアルファッションアイテムも販売しているため、スーツのついでに購入する人も多い。しかし、中には機能性やデザインなどに首をかしげたくなる商品もある。今回は、そんな秋に買ってはいけないスーツ量販店のアイテムを5つ紹介していく(価格はウェブ税別価格)。
2WAYカラードレスシャツ/THE SUIT COMPANY/4800円
シャツ襟の土台となる台襟がない、イタリアンカラーと呼ばれる点が特徴的なこの商品。第一ボタンを外してノーネクタイで着用すれば首元がきれいに見えるので、セクシーさを醸し出せる。
もちろんネクタイを締めても着用でき、ネクタイとノーネクタイで2つの使い方ができるというのがウリなのだが、ボタンダウンカラーはネクタイを締めるにはカジュアルな印象になってしまいがち。クールビズも終わり、ノーネクタイでなくなった今の季節。ネクタイと合わせるときには注意が必要なシャツだ。
ノーネクタイとして使うには、おしゃれさも演出できるイタリアンカラー&ボタンダウンカラーのシャツ。使うシーンを見極めて購入しないと、後悔する可能性もあるだろう。
【stanley blacker new york】ボタンダウンシャツ/KONAKA/5800円
ビジネスでもカジュアルでも対応できる、という触れ込みの商品は多いが、実はビジネスシーンには不適当なものもある。それを知らずに間違って着用してしまうのは避けたいものだ。
この商品も「ビジネスからカジュアルまで対応するボタンダウン」と推されているが、カッチリめの職場の場合、やはりシャツはツヤのある素材が基本だろう。ネルは防寒性があり、着心地もよいふんわり素材だが、ビジネスシーンではカジュアルになりすぎるため着用しない方がいい。
ある程度カジュアルでもいい在宅ワークでのオンライン会議などでも、ネルシャツは避けた方が無難だ。ビジネスでの着用を考えている人には、あまりおすすめできない商品である。
ドレスな雰囲気にルーズ感を取り入れたスラウチパンツ/洋服の青山/7110円
秋冬に大活躍するコーデュロイパンツ。肉厚で温かみのある素材は寒い季節に重宝する。この商品はポリウレタンを混紡することで伸縮性を持たせ、ウエストにもゴムを入れるなどストレッチ性もあり、一見するとミドルエイジにピッタリな商品と思える。
しかし、もともとルーズな形につくられている点に留意したい。昨今、流行しているワイド、ビッグなファッションを取り入れているのだが、あくまでもそれは若者のトレンド。普段あまり着慣れていない人が着ると、かなりの違和感が出てしまう。また、こうしたワイド系のファッションは細身で高身長の方が映えるため、体型によっては手を出さない方が無難だろう。
この商品はジャケットとのセットアップを推しているが、せめてジャケット単体を購入して着回すのがベター。セットアップもハードルが高いため、ファッション初心者にはおすすめしない。
【nano・universe DESIGN】ウール開襟フラノオーバーシャツ/AOKI/6210円
AOKIと人気セレクトショップ「nano・universe」のコラボアイテム。旬な、ゆるいシルエットで仕上げられたオーバーシャツだ。
ただ、前述の通り、こちらもミドルエイジにとってはハードルが高いアイテムだ。ビッグシルエット気味の服は、おしゃれ上級者でないとサイズが合っていない野暮ったい服と見られることもある。
さらに、このシャツは全体的にゆったりサイズにはなっているが、意外と丈が短い。モデルのような足の長さがあれば短めの丈も活きるが、純日本人体型で足の長さに自信がない人はアンバランスになってしまうだろう。むしろ、足の短さを露呈してしまう可能性もある。決してデザイン性は悪くないアイテムだが、着る人を選ぶ服といえる。
【JOHN PEARSE White】アクリルマフラー/KONAKA/4000円
冬の必須アイテムであるマフラーは、秋にはジャケットに合わせる人も多く、スマートな印象を与えられる。そのため、今からマフラーの新調を考えている人もいるだろう。
ただ、その柄や素材には注意が必要だ。この商品はストライプ柄が特徴的で多色使いのマフラーになっている。しかし、色が多いことから変に首元が目立ち、落ち着いた印象に欠ける。カジュアルシーンならいいが、ビジネスシーンでは不向きなのだ。スマートさや落ち着きを演出したいのであれば、無地の黒やネイビーのマフラーをおすすめしたい。
また、首周りに触れるウールが苦手な人のためにアクリル素材を使用しているが、アクリルなどの化学繊維は毛玉になりやすく、清潔感が失われがちだ。さらに、アクリルはカジュアルな印象を強めるため、ビジネスシーンには不向きといえる。
今回、紹介したアイテムはいずれもすべてが悪いというわけではなく、着る人やシーンによっては注意が必要なもの。秋物を購入するときには、ぜひ参考にしてほしい。
(文=清談社)