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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

梅干し、驚愕の効能…着色料・酸味料まみれのエセ梅干しは食べても無駄

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
梅干し、驚愕の効能…着色料・酸味料まみれのエセ梅干しは食べても無駄の画像1「Thinkstock」より

 完全に梅雨が明けると、なぜか食べたくなるのが「ソーメン」です。ソーメンの季節の直前には、筆者は決まって温かいうどんを食べたくなるのですが、皆さんはどうでしょうか。

 夏場のソーメンのツユにも梅干しを入れる時がありますが、筆者はこの季節に食すうどんのツユにも梅干しを入れます。うどんのツユの出汁はイリコに限ります。少量の昆布を合わせて出汁をとることもありますが、イリコでとった出汁に梅干しを加えたツユが、滅法おいしいのです。具材はなんでもよろしい。ゆでた青菜があればそれもよし、あっさりとネギだけというのもまたよし、きざんだ青じそも悪くありません。このうどんを食べると、梅雨明け直前の締まりのなくなった体に喝が入ったように、甦る感じがいたします。それにはれっきとした理由があります。

梅干し、驚愕の効能…着色料・酸味料まみれのエセ梅干しは食べても無駄の画像2

 梅は、バラ科サクラ属の植物ですが、同じバラ科アンズ属のあんずとともに、私たちの体に良い作用をもたらしてくれる栄養素が豊富に含まれています。ちなみにあんずは、全食品中で最もカロテノイド濃度が高いといわれており、梅と並んでとても優秀な食品ですので、時折は食べたいものです。筆者はよく、料理にドライフルーツのあんずを使います。

 さて、梅干しですが、思い浮かべただけで口の中に酸っぱい感覚が思い起こされて、唾液がたくさん出てくるという方も多いのではないでしょうか。その酸っぱさから、酸性食品と思われがちですが、実は梅干しはアルカリ性食品です。多くの酸っぱい果物がそうであるように、梅干しも私たちの体の中に入ると、アルカリ性に変化します。

 私たちの体が正常な場合、血液はpH7.4程度、つまり弱アルカリ性に保たれています。皮膚や消化器官は、逆に弱酸性です。だからこそ、その酸の力で細菌やウィルスの感染を防ぐことができるのです。しかし血液が酸性に傾いてしまうと、私たちの細胞の活動は低下し、免疫力にも影響を及ぼします。

 現代の食生活では、筆者が「白い悪魔の三兄弟」と名付けている、「白米、白い小麦粉、白砂糖」のほか、肉や魚などの酸性食品を多食するので、体は酸性に傾きがちです。とはいっても、体には恒常性維持機能(ホメオスタシス)が備わっているので、酸性食品を食べたからといって、いきなり血液が酸性になってしまうことはありません。しかし、酸性の食品ばかり食べ続けるのは、決していいことではありません。それは、血液が酸性にならないように、体が負担を負って防ぎ続けているということだからです。それは、どこかで限界を超えてしまう恐れがあります。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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