ビジネスジャーナル > ライフニュース > コンビニ惣菜、体内にリン過剰の危険
NEW
南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

コンビニ惣菜やレトルト食品、体内にリン過剰の危険…腎臓結石やホルモン&骨異常の恐れ

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
コンビニ惣菜やレトルト食品、体内にリン過剰の危険…腎臓結石やホルモン&骨異常の恐れの画像1「Thinkstock」より

「日本人はミネラル不足だ」という意見を、よく見聞きします。しかし、本当にそうなのでしょうか。筆者は、「もしかして、サプリメントを売りたい人たちの一方的な見方なのではないか」と疑問を持っています。

 まともな食事をしていれば、深刻なミネラル不足に陥ることは考えられませんが、まともな食事をしていない人が圧倒的に多いので、統計的に見れば、日本人はミネラル不足ということになるのでしょう。

 では、「まともな食事」とは、どのような食事なのでしょうか。

コンビニ惣菜やレトルト食品、体内にリン過剰の危険…腎臓結石やホルモン&骨異常の恐れの画像2

 そこで、一目瞭然に「まともな食事とはこれだ」とわかる方法はないのかと考えた末に、行きついてようやく完成させたのが「オプティマルフードピラミッド」です。オプティマルフードピラミッドは、そこに示される比率が守られていれば、ミネラルをはじめとして栄養素の不足が起きないというわけではなく、いくつかの条件を満たさなければなりません。

 そのうちのひとつは、野菜の品質です。野菜については、拙著『じつは危ない野菜』(ワニブックスPLUS新書)をお読みいただくのが一番わかりやすいと思いますが、要は農薬化学肥料を多用したものではなく、できるだけ自然に近い生育状態で育てられた、健康な野菜が望ましいです。健康な野菜には、言うまでもなくミネラル分がたっぷり含まれており、オプティマルフードピラミッドで示しているように、食事全体の40%をそのような野菜で占めていればミネラル不足など起こりようがないということは明確な事実です。

ミネラル不足の原因は加工食品

 しかし、現代日本の食生活は、私たち国民の多くがミネラル不足になってしまうような問題を孕んでいるわけで、そのことを考えずにミネラルを補っても、ザルで水をすくうような状況です。その問題点はどこにあるのでしょうか。それは、加工食品です。

 加工食品といっても、味噌や醤油など伝統的な製法によってつくられている加工食品には、なんの問題もありません。むしろ、積極的に摂るべき食品といえます。筆者が問題視しているのは、工業製品化された加工食品です。両者は、同じ加工食品とはいっても、雲泥の差、天と地ほどの違いがあります。

 私たちの食卓を支えているスーパーマーケットや、コンビニエンスストア、ファストフード店、ファミリーレストランなどで提供されている食品をはじめ、インスタント食品、レトルト食品、冷凍食品などのほとんどは、工業製品化された加工食品です。スナック菓子や菓子パンなども同様です。これらの食品は、製造過程において原材料としての食材が持っているミネラル分が失われています。

 現在、日本人の多くが、そのような工業製品化された加工食品に頼った食生活を送っているのではないでしょうか。それは、当然の結果としてミネラル不足にもなるでしょう。

 私たちの体は本来、ミネラルのバランスが崩れてしまった場合、補うためにミネラルに対する欲求が高まります。しかし、現代日本の食生活では、不足を補いきれません。なぜならば、そもそもミネラルバランスが崩れた工業製品的加工食品があふれているからです。申し訳程度に食べる野菜料理では、とうていミネラル不足を補うことは不可能です。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

コンビニ惣菜やレトルト食品、体内にリン過剰の危険…腎臓結石やホルモン&骨異常の恐れのページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!