報道番組『news23』(TBS系)でメインキャスターを務める小川彩佳アナの夫、豊田剛一郎氏の不倫が「週刊文春」(2月11日号/文藝春秋)で報じられた。豊田氏は、小川アナが子どもと一緒に都内の実家に帰っているときなどに、不倫相手と密会を重ねていたという。
驚くのは、豊田氏が不倫相手の女性と親密な関係になったきっかけが、小川アナと入籍した直後のクルージングだということだ。豊田氏が小川アナと入籍したのは、2019年7月だが、「文春」によれば、翌8月の逗子でのクルージングで不倫相手と急接近し、肉体関係を結ぶようになったらしい。しかも、その翌月の9月に豊田氏は不倫相手に“金銭援助”まで提案したというのだから、結婚や入籍を一体何だと思っているのかと怒鳴りつけたくなる。
婚姻が夫婦の信頼関係の上に成り立つことについて、議論の余地はあるまい。そして、この信頼関係は互いの誠実さによって築かれる。誠実さとは、何よりも不貞行為をしないことだが、豊田氏はこういう考え方とは無縁で、新婚早々遊び回っていたように見える。
もしかしたら、不倫が悪いとは思っていないのではないか。才色兼備で有名な小川アナは、豊田氏にとって自分のブランド力を高めるための“トロフィー”にすぎず、結婚によって“トロフィー・ワイフ”を手に入れた時点で「狩り」は終わったとも考えられる。「狩り」が終わったら、新たな獲物を求めて次の「狩り」に乗り出すわけで、そのために参加したのがクルージングだったのかもしれない。魅力的な女性を手に入れるための「狩り」に快感を覚え、それを続けられるだけの財力も名声もある男性は、不倫が“悪”だとは思わないだろう。
このような思考回路の根底には、強い特権意識も潜んでいるように見える。豊田氏は開成高校、さらに東京大学医学部を卒業した超エリート医師である。しかも、外資系コンサルティング大手のマッキンゼー勤務などを経て、医療機関にオンライン診察システムを提供する医療ベンチャー「メドレー」の共同代表を務めていた。今回の不倫報道を受けて、代表を辞任したが、上場した「メドレー」の株価が上昇したおかげで、豊田氏が保有する株式の含み益は180億円を超えるという(「文春」)。
これだけ輝かしい経歴の持ち主で、しかも資産家である。そのうえ、父親も元大蔵官僚で、衆議院議員を二期務めたというのだから、「自分は特別な人間だから、普通の人には許されないことでも許される」という特権意識を抱くのは当然だろう。いや、むしろ特権意識を抱かないほうが不思議だと思う。
この特権意識のせいなのか、「万一ばれても、妻は離婚できないだろう」と豊田氏は高を括っているようにも見える。実際、現時点で小川アナが離婚の選択をする可能性は低いと思う。なぜかといえば、小川アナが豊田氏を生涯の伴侶に選んだ一因として、自分を『報道ステーション』から降板させたテレビ朝日を見返すためにも超エリートの男性と結婚したいという願望が強かった印象を受けるからだ。
この見立てが正しければ、豊田氏ほどの高スペックの男性は、少なくとも日本にはそうそういないので、小川アナが離婚の選択をするとは思えない。不倫報道後、被害者であるはずの小川アナが謝罪したことも、私の見立ての根拠の1つである。
豊田氏が不倫を繰り返す可能性は高い
もっとも、小川アナが夫を許し、夫婦関係を再構築する決断をしたとしても、豊田氏が今後不倫を繰り返す可能性は高そうだ。なぜかといえば、ここで挙げた3つの特徴
1) 不倫が悪いとは思わない
2) 強い特権意識
3) 高を括っている
は、今年1月に2度目の不倫が「文春」で報じられた歌舞伎役者の中村芝翫さんと同様に、不倫を繰り返す男性にしばしば認められるからである。
だから、豊田氏は不倫報道を受けて「深く反省し謝罪する」という見解を示しているが、心の中では「妻はどうせ離婚できないだろうから、ほとぼりがさめるまで反省する素振りを示し、おとなしくしておこう」と思っている可能性が高そうに私の目には映る。もしかしたら、「今回は運が悪くてばれたが、次からはばれないようにもっと慎重にしよう」と思っているかもしれない。
小川アナが離婚の選択をしなければの話だが、芝翫さんや元衆議院議員の宮崎謙介氏と同じく、4年後くらいに再び豊田氏の不倫が報じられるのではないかと今から楽しみにしている。
(文=片田珠美/精神科医)