2021年2月25日にオープンした「宮崎大塚店」をもって、神戸物産が展開する「業務スーパー」は全国47都道府県への進出を果たした。同社は2000年の事業スタート時から、食品スーパーでは珍しい“フランチャイズ方式”と材料の生産、加工、販売まで行う“製販一体体制”を採用しており、業界の異端児とも言われている。
業務用の大容量食品や冷凍食品が一般客も買える、というイメージが強い業務スーパーだが、海外から直輸入した食品も多く扱っているのが大きな特徴だ。「世界の本物を直輸入」をコンセプトに、商社や問屋を通さずに約40カ国から約1400の商品を海外メーカーの工場から直接輸入しているため、輸入食品を扱う同業他社よりもリーズナブルに販売している。
新型コロナの影響で海外渡航が制限されている今、業務スーパーの直輸入品で海外気分に浸るのが、通のおうち時間の過ごし方。そこで今回は、ティータイムにぴったりな業務スーパーの本格派海外お菓子を厳選して紹介しよう(価格は税別)。
ジャイアントコーン チリ味 90g/88円(ペルー)
ペルーのアンデス山脈など限られた地域で栽培されている「ジャイアントコーン」を使った揚げ菓子。ジャイアントの名のごとく、一粒が10円玉ほどの大きさでカリっとした噛みごたえが特徴だ。ほんのり感じるポップコーンのような風味と、表面を覆うピリ辛のチリ味が後を引く。おやつとしてはもちろん、ビールとの相性もよさそうだ。
90gで88円という破格の安さで、他のECサイトで類似品を購入しようとすると、1kg1000円台などの大容量商品が大半を占めている。適量のジャイアントコーンを安く買えるのも、業務スーパーの強みだろう。
ストロープワッフル 8枚入/238円(オランダ)
1800年代に誕生して以来、オランダの名物お菓子として親しまれている「ストロープワッフル」。薄いクリスピーワッフルで甘いシロップを挟んだ焼き菓子で、オランダのパン屋が余ったパンと食材でつくったのが始まりといわれている。
オランダでは温めて食べるのが一般的。電子レンジやトースターで10秒ほど、あるいはコーヒーや紅茶のカップのフチに置いて温めると、シロップが溶けてほどよいやわらかさになる。ただし、1枚で142kcalもあるので食べすぎは禁物だ。
類似商品は500~800円前後するが、業務スーパーなら相場の半額以下で購入可能。カロリーのとりすぎを抑えるために1日1枚とすれば8日間楽しめるので、節約お菓子としても重宝しそうだ。
チョコレートシーシェル ヘーゼルナッツ4%使用 20個入り/328円(ベルギー)
年間22万tのチョコレートを生産しているチョコレート大国・ベルギー。業務スーパーでも、本場ベルギーのチョコレートを直輸入している。シーシェルというだけあり、貝やヒトデ、タツノオトシゴなど、海に関するさまざまな形状のチョコが20個入っている。SNS映えしそうなチョコだ。
表面のチョコの内側にはヘーゼルナッツを使用した濃厚なクリームがたっぷり入っているので、味の変化も◎。クリームの口どけが上品なので、強めの甘さも気にならない。
ちなみに、ベルギーの名店・ギリアンが製造している「シーシェルチョコレート」によく似ているが、もちろん別物。ECサイトでギリアンのシーシェルチョコレートを買うと3000円以上するので、日頃のおやつにしては高額すぎる。よほどギリアンのチョコが食べたいとき以外は、業務スーパーのチョコレートシーシェルで十分かもしれない。
ハスの実 50g/88円(中国)
中国や東南アジアの定番食材である“ハスの実”。漢方の原材料としても親しまれ、下痢止めなどの効能が期待できるという。業務スーパーのハスの実は、皮をむいて甘いシロップに漬け込んだ加工食品。そのまま食べることができ、クルミや茹でた栗のような素朴な味わいでクセがない。また、50gで98kcalと低カロリーなので、ヨーグルトやはちみつをかけて食べてもヘルシーなおやつになりそうだ。
ECサイトでは料理に使う乾燥蓮の実の販売がメインなので、そのまま食べられる業務スーパーのハスの実は貴重なおやつ。健康志向の人におすすめだ。
シュガークラッカー 15枚入り/97円(インドネシア)
多くの業務スーパーマニアが推しているのが、インドネシア産のシュガークラッカー。日本にもさまざまなクラッカーがあるが、厚みと大きさの面で国内のクラッカーとは一線を画する。一片6cmの正方形で、厚みは約4mm。日本で売られているものより一回り大きいので、たくさんトッピングがのせられるのだ。
味そのものも、甘さと塩味をほんのり感じる程度なので主張が弱く、トッピングともケンカしなそう。クリームチーズやジャムを業務スーパーで買い揃えれば、ひとりクラッカーパーティを開催できる。
ポテトチップス わさび 160g/158円(マレーシア)
人気ポテトチップス「プリングルズ」と見紛うパッケージのマレーシア産ポテトチップス。また、わさび味のチップスと聞くと、どうしても山芳製菓の「わさビーフ」を思い浮かべてしまうのが日本人の性だ。しかし、このポテトチップスは一味違う。わさびの風味が強烈で、口に入れた瞬間の辛さのインパクトが強い。鼻を抜けるわさび特有の辛さにこだわっているのか、かなりツーンとした感覚を覚える。
実は、マレーシアなど東南アジアではわさびの人気が高く、日本好き外国人向けメディア「FUN!JAPAN Lab」の調査では、マレーシアの人々が好きな日本の調味料として、わさびが3位になっているほど。味のインパクトの強さから察するに、マレーシアでは強烈な辛さが好まれているのかもしれない。わさびのように日本で親しまれたフレーバーでも、直輸入品を食べるとその国の“好み”が反映されていて、また違う楽しみ方ができるのだ。
【番外編】ルイボスティー 20袋入り/148円(南アフリカ)
業務スーパーの直輸入品はお菓子だけではない。ティータイムに欠かせないお茶類も世界中から輸入している。南アフリカの伝統的なお茶で日本でもノンカフェインティーとして人気を集めている「ルイボスティー」も、原産地からの直輸入。しかも、日本で流通している伊藤園のルイボスティーが30袋入りで500円前後のところ、業務スーパーのルイボスティーは20袋148円とかなりお得だ。他にもセイロン紅茶やスリランカ産のチャイなど世界のお茶が名を連ねており、安さも種類も魅力的だ。
世界観光機関は、国際観光が2019年の水準に戻るまでに最大で4年かかると予測している。旅行で現地の味を楽しむにはまだ時間がかかりそうなので、今は業務スーパーのお菓子で海外気分を堪能するのが得策かもしれない。
(文=清談社)