筆者は混雑した電車が大嫌いで、なるべく乗らないようにしています。時間をずらして乗ったり、少し遠回りでもすいている路線を使ったりします。混雑した電車の中で、臭いオジサンの近くに行ってしまうと、逃げ場もなく最悪の事態となります。いわゆる“加齢臭”が、かなりの苦手です。
ほかにも、街中には筆者の苦手な匂いがあふれており、安っぽい化粧品や、オーデコロンの匂いも嫌いです。石鹸や入浴剤を売る店から漂ってくる化学物質の匂いも苦手です。百貨店やスーパーマーケットの惣菜売り場に流れる揚げ物の匂いも同様です。駅のコンコースにあるファストフードの店が出す独特のにおいも大嫌いです。
筆者は講演などで出張することが多く、キャリーバッグに荷物を詰めて持って行っているので、やむなくタクシーを利用することもありますが、なるべく歩くようにしています。それは、タクシーの中が耐えがたいほど臭いことがあるからです。前に乗った客が残していったにおいの場合もあるでしょうが、運転手さんが発する加齢臭のこともあります。普段は車酔いなどしないほうですが、強烈なにおいに耐えかねて吐き気をもよおすこともあります。
揚げ物やスナック菓子が加齢臭の原因に
加齢臭の原因といわれているのはノネナールという物質ですが、これが皮膚に発生すると加齢臭になると考えられています。体内に過酸化脂質が増えると、このノネナールがつくられます。
したがって、過酸化脂質を多く含んだ食べ物を食べないことが、加齢臭を防ぐもっとも有効な手段なのですが、オジサンたちは過酸化脂質を多く含んだ食べ物を、そうとは知らずにたくさん食べてしまっているように思えます。たとえば、揚げものや炒めもの、ポテトチップスをはじめとするスナック菓子などです。
居酒屋などで、オジサンたちが会社帰りに仲間と一緒に飲み、食い、喋り……という席に遭遇することがあります。それを観察しているこちらもオジサンだったりするわけですが、こちらとあちらでは、テーブルに並んでいるつまみ類に違いがあります。こちらは浅漬け、アジやイワシの刺身、冷奴(あれば温奴)、冷やしトマト、もろきゅう、青菜のおひたし、納豆などが並んでいます。一方、オジサンたちの集団は、イカゲソの揚げもの、鶏のから揚げ、コロッケ、ポテトフライ、タマネギリング揚げ、天ぷら盛り合わせ、肉野菜炒めなどが並んでいます。これは、自らすすんで過酸化脂質を体内に摂り込んでいるといえます。