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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

周囲を不快にさせる加齢臭を起こす食べ物、加齢臭をなくす食べ物

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 過酸化脂質は、食べ物として摂るばかりではなく、体内でも発生します。細菌やウイルスなどを殺す働きをしてくれる活性酸素が体内で過剰につくられてしまうと、それが脂を酸化させて過酸化脂質に変わります。それを防いでくれるのは抗酸化物質ですが、居酒屋のオジサンたちが食べているメニューでは摂取できていません。したがって、体内の過酸化脂質は知らず知らずのうちに、どんどん増えてしまうことになります。

 ちなみに、過酸化脂質を分解し、体外に排出する働きをしてくれるのは、ビタミンB2という栄養素です。

 体内に過酸化脂質が多くなると、加齢臭がするようになってきますが、そればかりではなく、がん動脈硬化、高血圧、心疾患、脳梗塞など、いわゆる生活習慣病の発生原因になります。また、シミや小じわの原因も、この過酸化脂質なのです。“女子会”と称して女性たちだけで酒を飲んだり、食事をするということがはやっているようですが、選ぶメニューがオジサンたちと変わらないような事態は避けたほうがいいでしょう。

抗酸化物質を摂取して加齢臭予防

 抗酸化物質を多く含んでいる食べ物としては、まず果物が挙げられます。そして新鮮な野菜。これらは、自らの身を守るために抗酸化物質をつくり出します。それを私たちは“おすそ分け”してもらうのです。ニンジンやセロリ、パセリなどせり科の植物には抗酸化物質が多く含まれていますし、ニンニクやショウガにも含まれています。

 また、大豆に含まれるサポニンやイソフラボンなども強力な抗酸化作用を持っていますし、トマト、ブロッコリー、野菜のスプラウト(新芽)なども抗酸化物質を多く含んでいるので、積極的に食べるといいでしょう。さらに、ゴマにはリグナン、セサミン、セサミノールなどが含まれていますが、これらも抗酸化物質です。カプセルになったサプリメントで栄養素を摂るのではなく、ゴマを積極的に食べましょう。

 ビタミンB2を多く含む食品としては、牛・豚・鶏の肝臓(レバー)や心臓(ハツ)などが挙げられますが、安全なものであることを確認できるかどうかが問題です。栄養素を摂取するために、危険な物質を摂り込んでしまっては本末転倒です。イワシやイカナゴなどの近海の小魚や、ウナギにも含まれています。ほかには鶏卵、うずらの卵、チーズ類、海苔などの海藻類にも含まれています。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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