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第1戦で仲間批判の本田圭佑が第2戦で「人格者」に豹変、これが決勝T進出を生んだ!

文=杉山崇/神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授、臨床心理士
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 啓発的人間とは、「誰もが賛同できる適切な信念と、人に協力することも人を許すこともできる人間性を持ち、さらに夢とロマンも兼ね備えた人を惹き付ける人物」のことです。

 実際、第3戦後のインタビューでも、昨年11月に敗れたベルギー戦に向けての闘志と「(良いサッカーでないと)本当はダメ」と熱く語り、多くの賛同を集めています。このW杯を通して本田が啓発的人間へと成熟したとしたら、サッカー選手として今一度輝くだけでなく、引退後の実業家としてのキャリアも輝かしいものになるでしょう。

本田と対照的な宇佐美

 ところで、第3戦で初先発の宇佐美貴史は、誰もがその技術と才能の高さを疑わない逸材です。プレーする独メディアでも「天才」と紹介されています。ただし、あるメディアでは「技術は世界最高レベル、努力はチーム最低レベルのだらしない天才」と紹介されたこともあります。

 第3戦後のインタビューでは、ゲーム中に人々に与えたインプレッションとは裏腹に、「最低限の仕事はできた」と自分に及第点を与えています。もちろん体を張ったボール奪取やキープ、鋭いドリブルなど随所に光るプレーもありましたが、結果にはつながっていません。どうやら、本田とは対照的に「俺が決めなければ!」という自覚がないようです。

 独メディアの「技術は世界最高」の評を信じれば、宇佐美に本田のような「俺が!」の心が育つと、世界が驚く大選手になれるかもしれません。決勝トーナメントで覚醒してくれることを信じて、成長を見守りたいと思います。
(文=杉山崇/神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授、臨床心理士)

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