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片田珠美「精神科女医のたわごと」

三田佳子・次男が覚せい剤で逮捕、三田の説明「統合失調症を抱え」に強い疑問を感じる

文=片田珠美/精神科医

主治医は本当に統合失調症と診断したのか?

 三田さんの次男が最初に逮捕されたのは18歳のときで、覚せい剤所持の現行犯逮捕である。それ以前から幻覚や妄想などの症状があったのなら、統合失調症の可能性が高いが、それ以降にこれらの症状が出現したのなら、むしろ覚せい剤精神病の可能性が高いと思う。

 覚せい剤の使用を開始した後に統合失調症を発症するケースもないわけではないが、その頻度は低い。やはり多いのは、覚せい剤の使用がドーパミンの過剰を誘発して起こる覚せい剤精神病である。したがって、主治医は三田さんの次男を本当に統合失調症と診断したのだろうかと疑わざるを得ない。

 もしかしたら、主治医から「統合失調症と似た症状が出る病気です」「統合失調症の原因と同じ神経伝達物質が増えて起こる病気です」などと説明されて、親が「息子の病気は統合失調症」と思い込んだのかもしれない。

 あるいは、覚せい剤精神病でも、統合失調症でも、ドーパミンの放出を抑える抗精神病薬による治療が中心になるので、主治医から「統合失調症の治療薬を処方します」と説明された可能性もある。

 いずれにせよ、三田さんの次男にとって何よりも大切なのは覚せい剤の使用をやめることだ。覚せい剤を摂取して脳内のドーパミンが過剰になれば、病状はさらに悪化する。今回の逮捕を契機に覚せい剤をすっぱりとやめていただきたい。
(文=片田珠美/精神科医)

片田珠美/精神科医

片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

Twitter:@tamamineko

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