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主治医は本当に統合失調症と診断したのか?
三田さんの次男が最初に逮捕されたのは18歳のときで、覚せい剤所持の現行犯逮捕である。それ以前から幻覚や妄想などの症状があったのなら、統合失調症の可能性が高いが、それ以降にこれらの症状が出現したのなら、むしろ覚せい剤精神病の可能性が高いと思う。
覚せい剤の使用を開始した後に統合失調症を発症するケースもないわけではないが、その頻度は低い。やはり多いのは、覚せい剤の使用がドーパミンの過剰を誘発して起こる覚せい剤精神病である。したがって、主治医は三田さんの次男を本当に統合失調症と診断したのだろうかと疑わざるを得ない。
もしかしたら、主治医から「統合失調症と似た症状が出る病気です」「統合失調症の原因と同じ神経伝達物質が増えて起こる病気です」などと説明されて、親が「息子の病気は統合失調症」と思い込んだのかもしれない。
あるいは、覚せい剤精神病でも、統合失調症でも、ドーパミンの放出を抑える抗精神病薬による治療が中心になるので、主治医から「統合失調症の治療薬を処方します」と説明された可能性もある。
いずれにせよ、三田さんの次男にとって何よりも大切なのは覚せい剤の使用をやめることだ。覚せい剤を摂取して脳内のドーパミンが過剰になれば、病状はさらに悪化する。今回の逮捕を契機に覚せい剤をすっぱりとやめていただきたい。
(文=片田珠美/精神科医)
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