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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

ついに生鮮食品を売っていないスーパー登場…日本“崩食”の危険な事態

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

再び大阪万博開催

 大阪万博が開催された年はまた、日米安全保障条約改定の年でもありました。世にいう「70年安保」です。この条約に関しては、もっと国民的議論が必要だったはずですが、多くの国民は万博に浮かれ、大事なことから目を逸らされてしまいました。そのことがどれほど大きな影響を及ぼしたかについて国民が知ったのは、もう手も足も出せなくなってからでした。

 同じ年の11月25日、東京で大事件が起きます。三島事件です。作家・三島由紀夫が市ヶ谷の陸上自衛隊駐屯地に立てこもり、最後は割腹自殺を遂げるという、あまりにも衝撃的な事件でした。この事件をどのように分析し理解するかは、個々の見識にお任せしますが、アメリカの作家ヘンリー・ミラーが、この事件を評して述べた言葉を書き記しておきたいと思います。

「三島は高度の知性に恵まれていた。その三島ともあろう人が、大衆の心を変えようと試みても無駄だということを認識していなかったのだろうか」

「かつて大衆の意識変革に成功した人はひとりもいない。アレクサンドロス大王も、ナポレオンも、仏陀も、イエスも、ソクラテスも、マルキオンも、その他ぼくの知るかぎりだれひとりとして、それには成功しなかった。人類の大多数は惰眠を貪っている。あらゆる歴史を通じて眠ってきたし、おそらく原子爆弾が人類を全滅させるときにもまだ眠ったままだろう」

「彼らを目ざめさせることはできない。大衆にむかって、知的に、平和的に、美しく生きよと命じても、無駄に終るだけだ」

 2025年には再び大阪万博が開かれます。55年ぶり、2回目の開催です。今回の万博のテーマは「健康・医療」ということです。この年、日本では何が起こるのでしょうか。また、これまで日本にはなかった新しい何かがお目見えするのでしょうか。それによって、私たちの生活がどのように変化していくのでしょうか。

 ヘンリー・ミラーが言うように、大衆の意識の変革は起こらず、加工食品と菓子類を扱うスーパーマーケットは繁栄するのでしょうか。

 筆者は、この機会にもう一度、しっかりと踏みとどまって、日本の食のあり方を考え直してみたいと思っております。そして奇跡を信じて、変革を起こすための行動をしてまいります。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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