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「自分が好きなもの」の大切さ
最後は、『ばあちゃんのウクレレ』の作者・まるたさんが選んだ『ときめきのへや』(講談社/セルジオ・ルッツィア作、福本友美子訳)だ。
長女を出産した後、書店で見つけた1冊。それは、モリネズミのピウスが主人公の絵本だ。ピウスは、海や森で拾ってきた「小さな鍵」「鳥の羽」「貝がら」「古い写真」など、数多くの宝物を並べた部屋を持っていた。部屋の真ん中にあるガラスケースの中には、小さな石ころが置かれている。ピウスが初めて見つけた宝物だ。
しかし、それを見た友達は「こんな どこにでもある石ころを どうしてかざっておくのさ」「せっかくのへやがだいなしだ。すてちまえ」と口々に語る。そうした言葉を聞いたピウスは「つまらないものなのかな」と思ってしまい、石ころを川に投げ捨てるが、その後、とてつもない喪失感に襲われる。
「すごく胸が痛くなる話です。私自身、自分が好きなものやいいと思うことと、世間が思うことのギャップをたくさん感じてきました。自分の価値観を他人のフィルターに判断されても無意味だと、この1冊が教えてくれました」(まるたさん)
自分を信じることの重要性に気がついたまるたさんは今、流されない考え方を身につけ、自分を信じ、仲間を信じて新たなチャレンジをしているという。
人生で大切なものを子どもに教えてあげられる。大人になっても小さな頃の自分を思い出せる。そんな絵本を、長いゴールデンウィークに手に取ってみてはいかがだろうか。
(文=小川隆行/フリーライター)
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