ビジネスジャーナル > ライフニュース > 完全個室「ソロサウナ」が快適すぎる
NEW

好きな音楽でロウリュウし放題…完全個室「ソロサウナ」が快適すぎて時間との戦い

文=清談社
【この記事のキーワード】, ,
「ソロサウナtune」の外観
「ソロサウナtune」の外観

 空前のサウナブームとなり、どこに行っても大混雑。そこで注目を集めているのが「ひとりサウナ」だ。貸し切り状態の個室でゆっくりとサウナを楽しめるとあって、予約が殺到しているという。個室サウナは従来のサウナ好きが楽しめる場所なのか、それとも意識の高いサウナーじゃないと“ととのう”ことができないのか……。実際に東京・神楽坂の「ソロサウナtune」に出向いて体験してきた。

オシャレ&高級感で大人気

 サウナを題材にしたドラマ『サ道』(テレビ東京系)が話題となり、“サウナー”を公言する有名人が増えている影響もあってか、サウナブームが到来している。かつては、ちょっとお疲れ気味のオジサンたちがひしめき合っていたサウナ施設も、今や若者が大挙して押し寄せ、老若男女が集う場所となった。

 一方、混雑を嫌がるサウナーも少なくなく、そんなニーズを汲み取り、ちらほらと出現しているのが、ひとりで楽しめる個室サウナである。2020年12月には神楽坂に「ソロサウナtune」、兵庫県西宮市には月額制プライベートサウナ「HOTTERS24」がオープンし、その後は東京や大阪にも進出。さらに、恵比寿では入会金が200万円と言われる高級会員制サウナ「THE CLASS.」も出現した。

 個室サウナブームの火付け役ともいえるtuneは、そのなかでも人気が高い。時間制でシングル利用は60分か80分コース、グループ利用(最大3名)は80分コースのみで、部屋数はシングル用が3部屋、グループ用は1部屋だ。料金はシングル60分が3800円、80分が4800円、グループルームは1万1400円と、サウナ施設の相場が2000~3000円であることを考えれば割高である。しかし、そのニーズは高いようで、2週間後まで可能な予約は、いずれのコースも平日朝7時半から休日夜23時までびっしりと埋まっている。

 従来のサウナ好きのなかにもtuneが気になっている人は多いと思うが、ホームページを覗くとオシャレで高級な雰囲気が漂っており、ちょっと腰が引けてしまう。インスタグラムで「tune」を検索すると、うら若い女子の自撮り投稿が多く、オジサンが行っていい場所なのかと、ますます尻込みしてしまうだろう。

 とはいえ、行ってみないと実態はわからない。そこで、なんとか平日に60分コースの予約を取り付け、体験してきた。

好きな音楽を聞きながらセルフロウリュウし放題

 tuneは、神楽坂駅の出口から早稲田方面に向かい、裏路地を3分ほど歩いたところにある。もともと「UNPLAN」というインバウンド向けホテルの一部客室を改装して作られているため、同ホテルの中に併設される形になっている。外から見ると、1階のカフェスペースには、私服でパソコンを広げている人や神楽坂住民と思しきオシャレ大人が座っていた。

 店内左奥に向かうと、サウナの受付があった。予約している旨を伝え、施設の説明を受けると、サウナハットとマスクケースを渡された。飲み物も受付で購入が可能で、イオンウォーターか水を選べる。高級スーパーで売っていそうな、普段なら絶対に手を伸ばさないタイプの水だが、これしかないので意を決して購入。すると、さっそく中に案内された。

好きな音楽でロウリュウし放題…完全個室「ソロサウナ」が快適すぎて時間との戦いの画像2

 入口のオシャレ暖簾をくぐると、シックな壁面に部屋番号が書いてあり、スライド式ドアが並んでいる。部屋に通され、さっそくサウナを楽しもうと思ったのだが、扉の内側の鍵が閉まらない事態が発生。3分ほど格闘したが、フロントに電話すると、スタッフの女性が来てくれて「立て付けが悪いんですよね」と対応、なんとか鍵を閉められた。

 出鼻をくじかれたが、改めて中を見回すと、グレーで統一された4畳ほどの室内がやわらかい照明で照らされ、落ち着いた雰囲気が感じられる。入ってすぐにドライヤー、綿棒などが置いてある鏡台があり、その奥はメッシュ素材の「ととのい椅子」が配置された休憩スペースになっている。左側にはシャワー室があり、椅子の正面にサウナ室と思しき重厚な扉があった。

好きな音楽でロウリュウし放題…完全個室「ソロサウナ」が快適すぎて時間との戦いの画像3 好きな音楽でロウリュウし放題…完全個室「ソロサウナ」が快適すぎて時間との戦いの画像4

 室内にはスピーカーが設置されており、Bluetoothでスマホから音楽を流せるようになっていたので、ミーハーらしく『サ道』のサントラをかけ、モチベーションを上げていく。

 まずは、体を清めるためにシャワー室へ。タオルとバスタオル、シャンプー、コンディショナーなどは用意されているので、手ぶらでOKなのはありがたい。ただし、シャワー室のドアも入口同様、立て付けに難ありで、室外に若干水が漏れているのが少し気になった。

 清めた体を入念に拭くと、いよいよサウナ室に入室だ。じんわりとした熱が感じられ、そこまで熱くはない。温度計は85度を指していた。マットが敷かれた二段のひな壇があり、上段には寝そべられるように木製の枕も置いてある。さらに、アロマ水と柄杓のセットも足元に配置されていた。熱せられたサウナストーンにアロマ水をかけて水蒸気を発生させ、体感温度を上げることを「ロウリュウ」というが、それをセルフでできるというわけだ。

好きな音楽でロウリュウし放題…完全個室「ソロサウナ」が快適すぎて時間との戦いの画像5

 さっそくセルフロウリュウをしてみると、ジュウジュウと蒸発する音と白樺アロマの香りが一気に身を包む。森林のようなアロマを楽しんでいると、すぐさま高温の蒸気が室内に漂い、かなりの体感温度になった。この時点で、すでに汗が玉のように吹き出す。

 続いて、上段での仰向けスタイルも試してみる。ブーム後の混雑サウナしか経験していない筆者からすると、サウナ室で横になるのはひとつの夢でもあった。上段は2mほどあるので、身長175cmの筆者でも悠々と寝そべることができ、体が均等に温められるのでかなり快適だ。サウナ室にも音楽が流れるので、パブリックなサウナでは決して味わえない、自分好みのリラックス効果が得られる。

 しばらく寝そべり、7分ほどのサウナ体験の後にシャワー室へなだれ込んだ。ちなみに、タイマーはサウナ室外にあるため、中にいるときは何分経っているのかはわからない。砂時計でもいいので、ぜひ置いてほしいと思う。

 400口径の冷水専用のヘッドシャワーからは15度の水が流れ、熱くなった体を一気に冷ましてくれた。水量も多すぎず少なすぎず、ちょうどいい。水風呂がないことを懸念していたが、十分に体全体のクールダウンが可能だった。 

好きな音楽でロウリュウし放題…完全個室「ソロサウナ」が快適すぎて時間との戦いの画像6

 水滴を拭いて、徒歩3歩の椅子に座り休憩タイムだ。上からエアコンの風がほのかに当たるので、かなり気持ちがよく、時間が許すならば、このままゆっくり涼んでいたいところである。

 そう、時間があれば、だ。個室サウナ、いやtuneの最大の難点は時間制であることだ。この日は60分コース。この時点で15分ほど経過しているため、スタンダードな入り方とされる、サウナ→水風呂(水シャワー)→休憩の3セットをこなし、髪を乾かすなどの身支度も考慮すると、急ぎ足にならざるを得ない。

 それもあって、いつもより早く休憩を切り上げ、再びサウナに入室。時間に追われる気持ちもあってか、1回目より多めにロウリュウを行い、ガンガン室温を上げる。6分ほどで退出し、シャワーを浴び、休憩。これを三度繰り返すと、残り時間は15分ほどになってしまった。

 かろうじて“ととのった”感はあるが、やはり時間への意識で集中できなかったことは確かだ。ドライヤーで髪を乾かしたときは、すでに終了5分前。バタバタしながら受付でチェックアウトを済ませると、再びカフェスペースのリッチ住民たちの目線をかいくぐって帰路についた。

ひとりサウナは時間との戦い?

 初めての個室サウナを体験したわけだが、予想以上に時間との戦いであった。60分ではとても足りないので、来訪する際にはぜひ80分コースをおすすめしたい。ただし、サウナ自体は文句なしで、誰にも気を使わずセルフロウリュウや休憩ができ、好きな音楽をかけられるのはかなりの魅力だ。

 また、「壁が薄く外の音が気になる」という口コミも多いが、筆者の場合は他の部屋のドアの開閉音が聞こえるくらいだったので、そこまで不快感はなく、他の客と会うこともなかった。

 ひとりで時間を忘れてサウナに没頭するというのは、他では味わえない贅沢感があるが、少々値が張るため、月一くらいで自分へのご褒美で訪れるのが、ベターな利用法なのかもしれない。

(文=清談社)

清談社

清談社

せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

好きな音楽でロウリュウし放題…完全個室「ソロサウナ」が快適すぎて時間との戦いのページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!