大容量で低価格な商品を豊富に揃える「業務スーパー」。業者専門店ではなく一般のお客様も大歓迎というスタンスを取っており、今や家庭の強い味方として定着している。
業務スーパーは兵庫県加古川に本社を構える神戸物産が運営しており、今年5月までに全国で969店(FC店舗数含む)を展開している。今年10月までに1000店舗に達成する見込みで、すでに1200店舗、1500店舗への拡大を視野に入れているようだ。
そんな同店には、大容量なうえに格安なコスパ抜群の商品が多いのだが、なかには評価が分かれる商品も……。そこで今回は“この夏、要注意(?)な業務スーパー商品”を5つ選出したので紹介していこう。
杏仁豆腐/297円(税込、以下同)
「杏仁豆腐」は同チェーン店で人気の牛乳パックデザートシリーズのひとつで、内容量はなんと1kg。牛乳パックに入っているので、容器に移し替える手間がなく、そのまま冷蔵庫で保存できる点もポイントだ。
牛乳パックにデザートが入っていると聞くと、食べ方がわからないという人がいるかもしれないが、牛乳パック上部を全開にしてパックを逆さまにするとするっと中身が出てくるので、お皿などに食べる分だけ出せばいいので簡単。
だがSNSでは、「食感が杏仁豆腐っぽくない」「杏仁の味がしない」など肝心の味について不評の声が多数あがっている。
実際に食べてみたところ、確かに杏仁豆腐らしい張りのある食感がなく、どちらかというとゼリーに近い印象。また、味もいまいちで、“杏仁豆腐風のゼリー”を食べているような味わいだった。この商品の味や食感が好みだという人もいるだろうが、本格的な杏仁豆腐を期待していた人ほどガッカリしてしまうのではないだろうか。
バターチキンカレー/235円
続いては、まろやかな味わいが特徴というレトルトの「バターチキンカレー」。国内自社関連工場で製造している商品で、1袋に170g入ったもの2つセットで入っているのでリーズナブルに感じる。低価格でありながらひと口サイズの鶏肉がごろごろと入っているので、食べ盛りの子どもがいるご家庭などでは重宝されているようだ。
しかし一部の購入者からは「バターっぽさがない」「トマトの味が強い」など、バターチキンカレー本来の味とは離れているという声もあがっている。
その噂を確かめるべく、商品記載のとおり500Wの電子レンジで2分間温めて食べてみることに。実食してみると程よくスパイシーで万人受けしそうな辛さ。鶏肉は柔らかく食べ応えがある。
だが若干のバターの香りはするものの、指摘されているようにバターカレーらしいクリーミーさが薄く感じた。さらにトマトの酸味が強めなので、むしろトマトカレーのような印象なのだ。そのためバター感を求めて購入すると肩透かしを食らってしまうかもしれない。
チーズインハンバーグ/462円
「チーズインハンバーグ」は、その名のとおりハンバーグとチーズの組み合わせが嬉しい商品。「バターチキンカレー」同様、こちらも国内自社関連工場で製造しているという。冷凍状態のハンバーグが8個も入っているので、コスパの良さは抜群のようにも思える。
しかし購入者の一部からは、「チーズが重い」「こんなにチーズが重いチーズハンバーグ初めて食べた」など、チーズへの不満が寄せられていた。
商品に記載されているとおりフライパンで焼いて食べてみたところ、粗挽きのハンバーグが美味で、肉々しい食べ応えは子どもから大人まで好みそうな味わいである。
だが確かに、チーズが少しもったりしすぎている気もする。モッツァレラに近い弾力のあるチーズで、粗挽きのハンバーグと合わさるとかなり重く、“チーズが重い”という意見にも頷けてしまう。業務スーパーにはチーズの入っていない「あらびきハンバーグ」(429円)も販売されているので、ハンバーグを食べたいけど重たすぎるのはちょっと……という人には「あらびきハンバーグ」のほうをおすすめしたい。
スプレーホイップクリーム/375円
続いては「スプレーホイップクリーム」を紹介しよう。スプレー型のホイップクリームで、スプレー缶を振ってプッシュするとクリームが出てくるという商品だ。アイスクリームやデザート類に簡単にトッピングすることができるのが売りとされている。
だが一部の購入者からは、「クリームが水っぽい」「食べたときの食感がない」などの批判の声があがっている。
実際にスプレーしてみたところ、使い方は至って簡単で便利。本体を数回振ってからプッシュするだけでホイップクリームを作ることができた。しかし噂どおり、出てきた直後からスプレーは水っぽく、せっかくきれいにトッピングしてもあっという間にだれてしまったのだ。
また、食べてみてもクリームのなめらかさはあまり感じられず、口の中でしゅわっと溶けるような印象。使い勝手は良い商品なのだが、ホイップのような食感はなく、デコレーションとして使おうにも、あっという間にだれてしまうので要注意だろう。
カフェインレスコーヒー/375円
最後に紹介したいのは、アメリカから直輸入しているという「カフェインレスコーヒー」。内容量は100gで、お洒落な瓶のデザインが特徴的だ。コーヒー豆の本場であるベトナム産の生豆を使用し、高い技術力を持つアメリカの工場でカフェインを除去しているとのことで、なんとカフェインの量は2gにつき0.006g未満だという。
そのためカフェインの摂り過ぎが気になる方や、就寝前にもコーヒーを飲みたいという方にうってつけに思えるが、購入者からは「コーヒーの味がしない」「茶色いお湯」など、味に対する厳しい意見が見受けられた。
商品に記載されているとおり、ティースプーン1杯分を140mlのお湯に溶かして飲んでみたところ、確かに味が薄い。コーヒーの香りはわずかに感じるのだが、コーヒーらしい苦味が少なく、コーヒーの香り付きのお湯を飲んでいるような感じだ。
カフェインの量が少ないとのことなので、就寝前などに飲むには良いかもしれないが、コーヒーの味にこだわりのある人は購入は控えたほうが賢明かもしれない。
今回は“この夏、要注意(?)な業務スーパー商品”を5つ紹介した。人気商品の多い業務スーパーの商品だが、なかには今回紹介したような買う人を選ぶものも。この記事を参考に、業務スーパーで賢く買い物をしていただければ幸いである。
(文・取材=A4studio)
※情報は2022年7月22日現在のものです。
※スタッフが購入した店舗での価格を記載しています。