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日本の常識はドイツの非常識 第4回

年始の最初の仕事は、長期有給休暇の調整!?

文=金井ライコ/フリージャーナリスト

スローな休暇を楽しみに仏や北欧まで出かける

 家族総出で何十日間もの休暇を過ごすのだから、もちろん大抵の人は宿泊費の高いホテルへは泊まらない。この時期に頻繁に目にするのは、高速道路を4~5台もの自転車を積んだり、ボートを牽引して走るキャンピングカーだ。フランスや北欧まで遠征し、その道中をも楽しむスローな休暇を過ごす。

 湖で泳ぎ、サイクリングや山登りをし、バーベキューを頬張り、農家で動物と触れ合い、海辺に寝そべって読書……ドイツ人は自然を相手に安く遊べる才能を持つ人々だと私はひそかに尊敬している。自然に囲まれて自分のペースで遊ぶには、ホテルのような施設ではなく、日本の貸別荘のような数週間単位で家を貸してくれる「フェーリエンボーヌング」を利用する。キッチンも付いているから自炊をすれば食費も安上がり、というわけだ。

「働く合間に休む」ではなく、「休むために働く」ドイツ人

 休暇中に「自炊をする」と聞いて、同僚に質問したことがある。「奥さんが毎日食事を用意しなくてはならないから大変ね」と。すると同僚は「休暇なんだから、みんなで平等に食事を用意するのが当然だろう」と、何とも不思議な質問を投げかける奴だと、けげんそうな顔を浮かべた。確かに何事にも協力的でないと、長期休暇などリラックスには程遠いストレスを産出するだけのものとなってしまう。みんなが日常から離れてリラックスするための方法を彼らはよく知っているのだ。

 “働く合間に休む”のではなく、“休むために働く”ドイツ人。旅先でも、自分流を貫き、お金をかけずに楽しむ術を身につけている。仕事に振り回されている日本社会にもぜひ見習って欲しい。
(文=金井ライコ/フリージャーナリスト)

金井ライコ/フリージャーナリスト

金井ライコ/フリージャーナリスト

フリージャーナリスト、ライター、翻訳家。横浜国立大学を卒業後、教育誌、経済誌、男性一般誌の編集者を経て渡独。ミュンヘン工科大学で農業学とビール学を学ぶ。ドイツのビオ、健康、エコロジー、ビール、観光情報を各誌に執筆。

ブログ:ゆるゆるドイツマガジン「so la la」

『人生を変えたければ「休活」をしよう!』 休みは計画的に取りましょう amazon_associate_logo.jpg

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