Facebook、LINE、Instagramといったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やブログなどで自分の近況を投稿する際、いまや大半が写真付きとなっている。
そして、その写真のほとんどはスマートフォン(スマホ)のカメラ機能で撮影されているようだ。食べ物や風景、商品をはじめ、自分の子どもやペットを撮るために高画質のカメラを備えたスマホを購入した人も多いだろう。
しかし、購入したスマホのカメラに対して不満を抱く人が増えている。それは自分で自分を撮影する「自撮り」のブームが要因だ。自撮りの補助具である「自撮り棒」が大ヒット商品となっているように、自撮りをする人は増えている。そして自撮りをする際には、スマホの液晶側に付いているインカメラを活用するケースがほとんどだ。インカメラを使うと、液晶画面で確認しながら撮影できるためだ。
モバイルに特化した調査研究機関であるMMD研究所の調査によると、インカメラの利用率はスマホユーザーの73.2%にも上るという。特に15~19歳女性で約9割と、若い女性の利用率が高い。男性は風景や物を撮影してスマホ端末に保存する割合が高く、女性は撮影した写真をSNSに投稿する割合が極めて高い。その結果、特に女性でインカメラの画質への不満が多いことも明らかになった。
スマホユーザーの70.7%が、スマホのカメラに満足感を示しているが、不満な点として「インカメラの画質」を挙げた人は22.2%と最も多かった。スマホを購入する際、液晶の裏側に付いているアウトカメラの画質は確認しても、インカメラの画質まで確認する人は意外と少ない。カタログで画素数などを確認する際にも、アウトカメラの数値しか見ていない人が多いのではないだろうか。
ほとんどのスマホは、アウトカメラに比べてインカメラの画質はかなり悪い。そもそもインカメラは、iPhoneでは「FaceTimeカメラ」と名づけられているように、ビデオ通話などを目的として備えられていた。そのため、写真撮影には向かない程度の粗い画質のカメラになっている。しかし、昨今の自撮りブームでインカメラを使って撮影する人が増え、結果として不満が高まっているのだ。