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7月9日放送のテレビ番組『クローズアップ現代』(NHK)は、「人間型ロボット 頂上決戦 ~進化続ける夢の技術~」と題して、災害支援型ロボットの今を取り上げた。
番組では、6月5~6日にアメリカのカリフォルニア州ボルチモアの競馬場で開かれた、最先端のヒューマノイド技術を競う世界大会の模様を伝えている。優勝賞金200万ドル(約2億5000万円)の同大会を主催したのは、アメリカ国防総省の軍事研究機関である国防高等研究計画局(DARPA)だ。
今回、世界の研究機関が競い合ったのは、原子力発電所事故などの災害現場で人に代わって危険な作業をする災害用ロボットの開発だ。原発事故を想定し、500メートル離れた部屋から無線でロボットをコントロールする。作業用自動車の運転や、ドアを開けて部屋に入りバルブを開ける、などの作業をした後、ガレキを超えて階段を上がるなどの8つの課題をクリアするまでのタイムを競う。制限時間は1時間だ。
優勝は、韓国の大学がつくったロボットだった。日本からは東京大学、産業技術総合研究所(産総研)など4チームが参加したが、産総研は10位、東大は11位と惨敗だった。
東京電力の福島第一原発事故では、さまざまなロボットが投入されたが、期待された成果が得られなかったことは知られている。
番組では、この世界大会について「要素技術には強いものを持ちながら、産業化の道筋をつけられない日本勢は、本番で弱さを露呈した。前評判の高さにもかかわらず、思わぬ苦戦を強いられた」と総括していた。
倒れた最先端ロボットに人間が駆け寄る日本チームの映像は、なんともいえず悲しいものがあった。癒し系の人型ロボット開発では先行しているものの、災害用ロボットの分野では、日本は開発途上である現状が浮き彫りになったといえる。
(文=編集部)
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