日本で7月22日にリリースされたスマートフォン(スマホ)向けゲーム「ポケモンGO」は、学校の夏休みが始まった日本を“直撃”。東京・上野公園など、レアなポケモンが現れるとの情報が広まった場所は、スマホを手にしたプレイヤーで大盛況となった。
米ナイアンテックが開発したポケモンGOは、単なるスマホゲームとは違い、現実世界を舞台にしたことで社会現象になった。だがそれが無関係な人を巻き込み、賛否両論を巻き起こしたことも確かだ。サービス開始から1カ月で何が起きたのか、改めて振り返ってみたい。
ローンチ後は混乱するも、1カ月で劇的に進化
筆者がポケモンGOを本格的にプレイし始めたのは、7月13日。ドイツ・フランクフルトを訪れていたときのことだ。日本ではその週のうちにサービスが始まるとの報道はあったものの、それが7月22日に延びたことで、筆者は一足先にプレイすることができた。
そのまま英国やノルウェーに移動した筆者は、欧州各地でのポケモンGO人気を目の当たりにした。欧州ではもともと歩きスマホをしている人が多く、一概にポケモンGOをプレイしているとはいえないものの、「ポケストップ」に使われた有料アイテムなどから盛り上がり方を推測できるのだ。
7月22日に日本で始まった後は、都市部を中心に爆発的なヒットを記録したことはいうまでもない。そこからゲーム自体も次々とバージョンアップしている。当初はゲームサーバが重く、アプリが頻繁にフリーズしたことで筆者もゲームを投げ出しそうになった。だがサーバ性能は急速に増強され、アプリも次々と機能アップしており、現在ではおおむねストレスなく遊べる状態だ。
スマホゲームのビジネスモデルである「課金」も、ほどよいレベルになっている。いわゆる「ガチャ」に近い要素はあるものの、お金をつぎ込めば即座にレアなポケモンを得られるわけではなく、足を使って歩き回る必要がある。無課金のプレイヤーとの間に圧倒的な差はつきにくく、若年層を含め万人がプレイしやすいデザインといえる。
ポケモンGOのダウンロード数や収益がギネスによる世界記録として認定されたように、ここまで爆発的に広がったゲームは過去に例がない。その背景には、日本だけでなく世界各国で愛されてきたポケモンというキャラクターの存在がある。単にゲームシステムを真似るだけではポケモンGOに追いつくことはできないという点でも、他を圧倒するゲームといえる。