社会現象化に伴い、想定外の軋轢も
ポケモンGOは前代未聞の爆発的なヒットとなった一方で、さまざまな軋轢も生み出している。
真っ先に懸念されたのが、スマホを持ち歩いてプレイすることに伴う「歩きスマホ」だ。これまで歩きスマホ対策に注力してきた大手携帯電話事業者は、ポケモンGOのヒットによるスマホ利用の増加を歓迎しつつも、歩きスマホの増加を警戒する。都市部では電車などの交通機関でスマホ利用への注意喚起が激増した。
ひとたび事件が起きれば、センセーショナルに報じられている。8月23日に徳島県で発生した交通事故では、運転手がポケモンGOをプレイしていたことが注目を浴びた。運転中に携帯電話やスマホに気を取られたことによる交通事故は少なくないが、話題性のあるポケモンGOがやり玉に挙げられるかたちになった。
敷地内でのポケモンGO利用を禁止する施設も現れた。あまりにも多くのプレイヤーが殺到することでゴミや駐車場の問題が無視できないレベルになれば、やむを得ない面があるといえる。一方で、都市と地方での盛り上がりの差も顕著だ。東京のような大都市では存分に楽しめるのに対し、地方のほうが有利な要素はほぼないのが現状だ。
サードパーティ製の攻略ツールも問題のひとつだ。攻略情報を掲載したウェブサイトを参考にするだけなら問題はないが、自動操作や位置情報を偽装するツールが流通すれば、ゲームとして成立しなくなる恐れがある。それらを利用したユーザーは退会処分になるなど、不正は排除していく構えを示している。
企業との提携や新要素の追加など、次の展開が見えてきた
ポケモンGOのブームは今後も続くのだろうか。筆者はレベル25に到達し、集めたポケモンが115種類になったあたりで壁にぶつかった。アクティブユーザー数はピーク時から減少していることが指摘されるように、一通り遊んで目標を見失ったプレイヤーが脱落する時期に入っている。2016年9月、筆者はドイツのベルリンに滞在しているが、ゲーム開始時の7月に比べるとプレイヤー数は減少した印象だ。
逆にいえば、先行して始めたプレイヤーが青天井に強くなり、新参のプレイヤーが追いつけなくなる、といったことはないだろう。そういう意味では、ブームに乗り遅れたプレイヤーもまだ容易に追いつけるだろう。だが、既存プレイヤーを満足させるには、新しいポケモンの追加やポケモンの交換機能といった新要素が期待される。次バージョンでは「相棒ポケモン」機能が加わる予定だ。