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新プレステ5対応、次世代VRの機能を大胆予想…現行機の“最大の難点”を改善?

文=A4studio
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PlayStation VR(「SONY HP」より)

「2020年11月12日発売」と公式HPで発表されたPlayStation 5(以下、PS5)。対応ソフトも続々と発表されており、ファンの期待の声も高まっている。それにともないPSファンたちが待望しているのが、PS5に対応する次世代PlayStation VR(以下、PSVR)だ。

 次世代PSVRが発売されるとしたら、プレイできるゲームにはどんな可能性が詰まっているのだろうか。PS4対応の現行PSVRやゲーム業界のVRを取り巻く状況などをふまえて、PS5対応の次世代PSVRについて、数々のゲーム関連記事を手掛けているゲームジャーナリストの小野憲史氏に解説してもらった。

気になる次世代「PSVR」の発売予定や開発状況は?

 まず次世代PSVRについて、現時点で発表されている情報などについて聞いた。

「次世代PSVRに関しては、ソニーはまだ具体的な発売予定も開発状況も公式発表を出していないため、正直まだまだ不透明な部分が多い状況です。今年8月に“ソニーが『次世代VR用ヘッドマウントディスプレイの開発』チームのエンジニアを募集し、5年後以降を見据えて開発予定”といったニュースが報じられました。しかし、5年後以降を見据えた求人ということですと、この報道とPS5対応の次世代PSVR開発は直接的な関係性は薄いでしょう。

 ただ、今年1月時点における、PS4対応の現行PSVRの売上台数は、全世界で500万台を突破したと公式発表されています。何かしらの後継機ではなく、ゼロから立ち上げて開発したデバイスで500万台も売り上げたということは、現行PSVRが堅調な売上だったということ。ですからPS5対応の次世代PSVRが開発される、もしくはすでに開発が進んでいるという可能性は十分考えられます」(小野氏)

 ではここで現行機について振り返っておきたい。PS4対応の現行PSVRから発売されたソフトの反響はどうだったのか?

「現行PSVRでヒットしたPS4ソフトをピックアップするとしたら、『Beat Saber(ビートセイバー)』と『SUPERHOT VR(スーパーホットVR)』の2本でしょう。『Beat Saber』は、画面の奥から手前に流れてくるブロックを、音楽に合わせながら両手に持ったソードを振ることで壊していく音ゲーです。ゲームの操作が直感的であることと、自分が音楽のなかに入ったかのような没入感を得られることなど、新しい体感を味わえる一作となっています。

『SUPERHOT VR』は四方八方からやってくる敵の攻撃を、身体操作で避けながら敵を倒していくFPSゲームです。プレイヤーが動かなければゲーム内で時間が流れない点がミソで、“処理落ち”(画面の動きがカクカクしてしまったり、ゲーム全体の速度が一時低下してしまったりすること)をうまく防いでいます。これによってVRゲームの天敵“VR酔い”を抑制し、FPSゲームならではの没入感を演出できたことが成功の要因だと思います」(小野氏)

次世代「PSVR」に求められる“ストーリー体験”

 現行PSVRがユーザーにウケたポイントの一つには、“没入感”の高評価があったということか。では反対に、現行PSVRに足りないものがあるとすればどういった点だったのだろう。

「しいていうなら、ハードウェアとソフトウェアの両面に難点がありました。ハードウェア上の話をするなら、まずは装着性です。装着したときの大きさや重さが気になるという方は多かったでしょうし、内部の蒸れが不快だったという方も多いでしょう。ですから次世代PSVRでは、大きさや重さをコンパクトにしたり蒸れにくい設計にしたり、寝転がっててもできるようにするなど、装着感のさらなる快適性に改善の余地はあると思います。

 ソフトウェア上の話では、VRゲームならではの“ストーリー体験”を味わわせてくれるゲームシステムが、まだ発明されていないことですね。ファミコン時代を例に挙げるとすると、『スーパーマリオブラザーズ』のような単純明快で爽快なアクションゲームだけでなく、『ドラゴンクエスト』シリーズのようなストーリー体験ができる作品が大ヒットしたことで、ユーザー層が広がったといえます。

 ところが現行のPSVRのゲームは、装着感の問題もあり長時間プレイにあまり馴染まず、表現できるストーリー体験が限られてしまっています。要するにストーリー体験を味わうのに向いていないのが現状です。前述した現行PSVRでヒットした2本のゲームはアクション要素が大きいゲームで、スカっとしたとかストレス解消になったという体験はできました。しかし、感動したとか、泣いたという体験はできません。そういった体験を可能にするゲームがまだ発明されていないという部分が、PSVRに限らずVRゲームの最大の課題点であり、伸びしろでもあると思います。

 次世代PSVRがより多くの人に普及するためには、ハードウェアに求められる装着性の改善・刷新を急ぐとともに、VRデバイスならではの物語表現の形式を発明することが、より多くの人に普及するための大きな課題なのかもしれません」(小野氏)

「PSVR」、進化のカギとなるのは“触覚”か?

 PS4用の現行PSVRの課題から、PS5用の次世代PSVRに求められているものが見えてきたが、今後技術の進化が進むなか、次世代PSVR対応ゲームにはどういった新機能が追加されていくのだろうか。

「PS5の新機能として“触覚”に着目したシステムがいくつか搭載される予定のようです。例えば、ゲーム中に操作している車が泥道を走行すると、ずっしり重い感触がコントローラーから伝わってくるといった『ハプティックフィードバック』。ほかにも、ゲーム中に弓矢を引き絞るときのアクションを、コントローラーでリアルに実感できるといった『アダプティブトリガー』。

 PS5ではこういった新機能によって、ゲーム作中にあるさまざまな感覚をリアルに力強く表現することができるようになるでしょう。そして、次世代PSVRでもそういった“触って楽しめる要素”を活かせるようになるのではないかと推測しています」(小野氏)

“新体感”を謳うゲームのキャッチコピーも少なくはないし、ユーザーは常に新しいゲーム感覚を求めているともいえる。未来の技術の最先端は一体どんな形でVRゲームに搭載されていくのか、楽しみである。

「次世代PSVRでどこまで実現できるかは未知数ですが、AR(拡張現実)やMR(複合現実)の発達によってもVRゲームの可能性の幅は広がります。

 デバイスにカメラを搭載して周囲の状況を重ねあわせることで、目の前に置かれている家具や家電などに対して、AIがその物体の意味を認識しゲームの世界の物体として解釈するということも、今後のVRゲームでは可能になってくるかもしれません。自分の部屋のソファーの陰から敵が出てくるだとか、壁にかかっている額縁を覗き込むとそこから異世界の風景が見えるだとか、そういったことが可能になる研究開発は進んでいますので、次世代PSVRのゲームにはそういった新体験にも期待したいですね」(小野氏)

 年末発売予定のPS5が、ハイスペックなゲームマシンであることは間違いない。PS5用のPSVRについてはまだ予想の範疇でしかないが、ゲームの未来を開拓するデバイスとして、ゲームファンの期待値は高まるばかりだろう。
(文=A4studio)

A4studio

A4studio

エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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