リアル過ぎて“ヤバい”ゲーム続々…ホームレス・サバイバル、暴動鎮圧シミュレーション
働き方の見直しでオフィスを手放す企業が増加傾向にある一方、「コロナ解雇」という言葉をメディアで目にする機会が多い。実際、厚生労働省の発表では、雇い止めを含めると10万人以上のインパクトが出ているとしている。
あまり考えたくはないが、解雇によってやむなしにホームレスになってしまう可能性さえある。こういった状況を想定してなのか、「ホームレスシミュレーション」ジャンルのゲームが登場した。
チェコのディベロッパーによる『Hobo: Tough Life』は、ヨーロッパ郊外の架空都市Praslavを舞台にホームレスとなって生き抜いていくサバイバルRPGだ。ホームレスシミュレーションと発想もすごいが、ある種リアルな作り込みも。
生き抜いていくためには、食事や体調管理に加えて、気候への対応、住処(シェルター)の確保などが求められる。食事1つとっても、お金がないため、基本的にはゴミ箱から漁ることになるのだが、衛生状態にも気をつけないと体調を崩したり、病気になってしまう。
また、行き交う人々に交渉をすることも可能で、取引に加えて乞う、盗むなどの選択肢も。それでも苦しいときは、ピッキングで他人の家に侵入して、盗みを働くこともできる。
ヨーロッパの寒い冬を乗り切るためには、住処の確保も重要なファクター。ただ住環境の整備する以外にも、派閥への加入などのファクターも用意されている。今どきのゲームらしく、最大4人のオンライン協力プレイにも対応と、ゲームとしての作り込みもしっかりしている。
実はホームレスシミュレーションは、ほかにもいくつかある。Ragged Gamesが開発中の『Bum Simulator』は、『Hobo: Tough Life』より過激な仕上がりになりそうだ。現在公開されているトレイラーを見る限り、投石に放尿、中指を立てるシーンなどが見受けられる。
鳩を飼い慣らして、街行くに襲わせるなどのフィーチャーもあるようだ。本作は現在開発中のステータスで、2021年Q2のリリースを目指している。
暴動鎮圧シミュレーションのRiot Control Simulator
新型コロナウイルス対策による行動規制の反発で、今年1月にオランダで暴動が発生したニュースは記憶に新しい。パンデミック後には各地でこのような騒乱が起こるとの見方をしている専門家もおり、緊迫の事態が続いている。
こういった現状を受けてなのか、暴動鎮圧シミュレーション『Riot Control Simulator』が発表された。社会情勢が不安定な架空都市で、プレイヤーは機動隊の一員となって暴動の治安圧をするという設定だ。
プラカードを持って集まってくる群衆には、放火や投石、火炎瓶やバットを片手に襲撃を行ってくる者がおり、プレイヤーは警棒やシールドでこれらの暴徒を抑え込むことに。トレイラーを見る限り、放水車なども用意されているようで、暴動の状況を見つつ的確な判断が求められる。
武力行使による対応だけでは、暴動を激化させる恐れもあり、群衆の中から影響力の高い者を見分けて逮捕するという選択肢も考えなければならない。
世界的にゲームのプレイ時間や視聴時間が高まっているなか、ゲームそのものにも世界の状況が反映されているといっていい今回紹介した作品。あくまで、ゲームとして楽しんでみたい。
(文=辻英之)