いまだPS5は入手困難だが”Xbox Oneとゲームパス”なら100作品以上遊び放題
昨年11月の発売から半年が経過したにもかかわらず、いまだにPlayStation 5(以下、PS5)、Xbox Series X/S(以下、XSX)が入手しにくい状況が続いています。しかも両ハードとも専用ゲームがそれほど登場していないため(特にXSXは人気シリーズの早期投入が急務です!)、ゲームファンの間でも「急いで手に入れたところで……」的なムードが蔓延してしまいました。
ならいっそ、性能を要するリッチなゲームはWindows PCで遊ぶという手もあるのですが、PS5やXSXと同等以上の映像で遊ぶには高価なマシンが必要です。さらに現在は仮想通貨のマイニングの影響で、グラフィックボードの価格が高騰中。PC自作の経験がある人ならまだしも、初心者が手を出すにはいささか時期がよろしくありません。
そんな2021年5月の状況下で、なかなかに魅力的な選択肢として浮上してくるのがXbox Oneと、サブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」(以下、ゲームパス)の組み合わせです。
「なぜ急に一世代前のXbox One?」と思われる方も多いかもしれませんが、今年は初代Xbox発売から20周年。5月14日から11月にかけて、Xbox 20周年記念イベントが順次開催されるとのこと。それを知った筆者は、手元に残る歴代Xboxを順に起動して遊んでいたのですが、Xbox Oneを起動したところでふと気がついてしまったのです。ゲームパスを活用すれば、Xbox Oneもまだまだ現行機といえるのではないか、と。
ちなみにゲームパスとは、NetflixやHuluのゲーム版のようなサービス。月額850円(税込)で100本以上ものゲームが遊び放題になり、SwitchやPS4とは一味違ったゲームの楽しみ方ができるのです。また、映像をストリーミングするのではなく、ソフト自体をダウンロードしてプレイするため、操作レスポンスもすこぶる快適。これを書いている5月中旬現在のおもなラインナップは……。
RPG
『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』(スクウェア・エニックス)
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(スクウェア・エニックス)
『オクトパストラベラー』(スクウェア・エニックス)
『テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER』(バンダイナムコエンターテインメント)
『CODE VEIN』(バンダイナムコエンターテインメント)
『The Elder Scrolls V:スカイリム スペシャルエディション』(Bethesda Softworks)
『アンダーテイル』(ハチノヨン (8-4))
アクションアドベンチャー
『龍が如く』シリーズ(セガ)
『ニーア オートマタ』(スクウェア・エニックス)
『バイオハザード7』(カプコン)
『グランド・セフト・オートV』(Rockstar Games)
『マインクラフト』(Microsoft)
『Quantum Break』(Xbox Game Studios)
『Ryse: Son of Rome レジェンダリー エディション』(Microsoft)
FPS・TPS・フライトシューティング
『Gears of War』シリーズ(Microsoft)
『Halo』シリーズ(Microsoft)
『Destiny 2』シリーズ(Bungie)
『エースコンバット7』(バンダイナムコエンターテインメント)
レース
『フォルツァ モータースポーツ7』(Xbox Game Studios)
『フォルツァ ホライゾン4』(Xbox Game Studios)
と、ざっと挙げただけでも、各ジャンルの名作・話題作がズラリ。何作かプレイ済みのゲームが含まれているとしても、さすがにすべてをプレイ済みという人は少ないのではないでしょうか。その他のラインナップが気になった方は、公式サイトからご確認ください。
しかもゲームパスはサブスクリプションサービス。長期間加入するユーザーのためにプレイできるゲームが入れ替わっていくので、今後さらに多くのゲームに触れるチャンスもあるわけです。筆者は1年ほど前からゲームパスを利用しているのですが、上に挙げた作品の大半がその間に加わったもの。加入時はここまでのタイトルが揃うとは思いもしませんでした。
ゲームパスのラインナップは国内外の有名タイトルが中心ですが、個性が光るインディーズタイトルも多数あり(一部、日本語化されていないゲームが含まれています)、「自分に合ったゲームを探す」楽しさを味わえることも魅力です。
しかも5月の時点では、ゲームパスで遊べる作品はXbox OneとXSXとの間にほとんど差はありません(アクションアドベンチャー『The MEDIUM』のみXSX専用)。XSXユーザーでもある筆者としては、もう少し差があってほしかった気もしますが……(笑)。
本体はどれを選べばいいのか?
なお、Xbox One本体はすでに新品の取り扱い店が少なくなっているので、中古ショップやフリマアプリなどで手に入れるのが比較的お手軽でしょう。本体は3タイプあるので、購入する際はよくご確認を。
Xbox One
最初期のタイプです。1万円前後で入手可能ですが、電源が外付けで、本体サイズも332×274×79.5mmとやや大きいため、とにかく安く始めたい人向け……ではあるものの、キネクト(人間のモーションや音声を検知するセンサー)を使った本体機能の制御はSFっぽく、一度は試してみる価値があります。
Xbox One S
後期型。2万円台前半から入手可能。キネクトはオミットされましたが、サイズも小さくなり、電源も本体に内蔵。もっとも無難な選択でしょう。ディスクレスのAll Digital Editionもあります。
Xbox One X
最上位機種。性能はXbox Series S以上ですが、価格もそれなりに高いので、これを買うくらいならXSXの入手機会を待ちたいところ。
と、ここまで読み進めてきた方なら、多少はゲームパスについて興味が湧いているはず。ここで、ゲームパスのお得な加入方法についてお伝えしましょう。
まずはゲーム用のMicrosoftアカウントを作成したあと、アマゾンなどで売っている「Xbox Live ゴールド メンバーシップ」を利用してゴールドメンバーになります。その状態でゲームパス Ultimate(『バトルフィールド』シリーズや『FIFA』『MLB』などでおなじみのエレクトロニック・アーツ作品や、PC用ゲームも含んだサービス)に加入すると、ゴールドメンバーの残り期間がそのままゲームパスUltimateの期間に変換されます。この方法なら年額5000円強、月額400円ほどでゲームパスを利用できるのです。
Xbox Live ゴールド メンバーシップは最大36カ月分までチャージ可能ですが、筆者としては12カ月、長くとも24カ月程度をオススメします。人によってはゲームパスのサービス内容が合わず、結局あまり利用しなかったということもありえるでしょうから。
また現在、ゲームパス Ultimateを3カ月100円で利用できるキャンペーンが実施されていますが、こちらを先に試すと、上でお伝えした変換はできなくなるのでご注意を。ただ、3カ月も遊べば、自分に合うか合わないかを判断できる方も多いのではないでしょうか。もし初期型のXbox Oneが安価で手に入った場合、新作ゲーム1本半程度の予算でゲームパスの世界を堪能できるわけです。
と、今回はなかなか極端な話になってしまいましたが(笑)、久々にXbox Oneに触れたことで、図らずもMicrosoftのゲーム事業の方針についても再確認することができました。彼らはゲームパスによって、ハードの世代間や、ゲーム機とPCの違いも超えた「ゲームのインフラ」を作りあげようとしているのです。
Microsoftの強みとして特に大きいのは、ネットサービスに使用するクラウド・Microsoft Azureを自前で持っていること。そのため、コスト面で正面から競合できる相手はGoogleくらいでしょう。また初代Xbox発売から20年間、ソフトの互換性を重視し、一貫して取り組み続けてきた努力が、ゲームパスのソフトラインナップにも反映されているわけです。
ここしばらくはゲームパスに追随できるサービスは出てこないことが予想されますが、変化の早いこの時代、何が起こるかわからないもの。また、現状のサービスの質をどこまで維持できるのかも未知数です。だからこそ、ゲームパスを試してみるなら、今こそがベストタイミングだといえるでしょう。