先日、トヨタのディーラーに愛車を車検に出したところ、「TOYOTA Wallet」(トヨタウォレット)のアプリのインストールをおすすめされました。正直、「TOYOTA Wallet」なるキャッシュレス決済を耳にしたのはこれが初めて。
(画像引用元:ネッツトヨタ東都株式会社より)
しかし調べてみたところ、TOYOTA Walletはポイントの二重取りどころか三重取りすることも可能なことが判明。使い方によってはお得なキャッシュレス決済アプリであることが分かりました。
この記事では、TOYOTA Walletの特徴やお得な使い方、メリット、デメリットをご紹介します。
TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)とは
TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)はスマホ決済機能を搭載した、トヨタファイナンシャルサービス株式会社が提供しているアプリ。スマホ決済以外にも2023年10月以降は自動車ローンの申し込みにも対応します。
なお、アプリの機能は今後も拡充していくと見られます。
TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)で使える決済方法
2023年8月現在、TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)で使える決済方法は「TOYOTA Wallet QUICPay」、「Wallet QR」、「iD/Mastercard残高」、「au PAY」、「銀行Pay」、「Bank Pay」です。
TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)のチャージ方法
TOYOTA Walletで、チャージして支払う方法をご紹介します。
iD/Mastercard残高にチャージ
iD/Mastercard残高にチャージする方法をご紹介します。なお、設定できる支払い方法はトヨタファイナンス発行のクレジットカード、Visa/Mastercardのクレジットカード、TS CUBIC CARDのポイントです。
初回は利用設定を行い、決済用パスコードの設定と端末認証を行う必要があります。
まずアプリを開きます。
QUICPayと紐づけ
TOYOTA WalletはQUICPayと紐づけて支払うことが可能です。ただし、TOYOTA WalletのQUICPayにチャージできるのは2023年8月現在、TS CUBICかレクサスカードのみ。つまりどちらかを所持していないとQUICPayは利用できません。
Wallet QRにチャージ
トヨタ独自のQRコード決済「Wallet QR」はQUICPayと「TS CUBIC/レクサスカード」のいずれかをを紐づけてチャージし、支払いに利用できます。
2023年8月現在、TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)は「トヨタのポイントアップW」というキャンペーンを行っています。
これは対象カードからTOYOTA Walletの残高(iD / Mastercard残高またはQUICPay残高)にチャージすると、1,000円につき20ポイント(2.0%)のポイント還元が受けられるキャンペーン。QUICPayのクレジットカード払いも対象です。
さらにTOYOTA Walletの残高で支払いを行うと、利用金額100円につき1円(1.0%)、TOYOTA Walletの残高キャッシュバックを受けられます。これにくわえ、トヨタ販売店ならチャージのポイント還元が最大1.5倍になるため、ポイント還元率は三重取りで最大4.0%になります。
対象となるカードは以下の通りです。
・TOYOTA TS CUBIC CARD
・TOYOTA TS CUBIC VIEW CARD
・TS CUBIC Pay
・DAIHATSU TS CUBIC CARD
・ジェームスTS CUBIC CARD
・いきいきぷらちな倶楽部TS CUBIC CARD
・レクサスカード
TOYOTAWallet(トヨタウォレット)を車検ついでにインストールしてみた
冒頭でも述べた通り、筆者がTOYOTAWallet(トヨタウォレット)を知ったのはディーラーに車検をお願いしたときのこと。
おそるおそるといった様子で「お客様はキャッシュレス決済をお使いになられますか……?」と切り出されました。それまではまったく聞いたことがないアプリだったため、興味本位でインストールを行いました。
店員さんからまずは説明を受けてみた
なお、トヨタのディーラーに行ったからといってインストールは強制ではなく、拒否もできます。むしろ筆者のようにトヨタウォレットに興味を抱く客の方が少ないらしく、店員さんは「みなさんQRコード決済アプリというだけで拒否感を覚えるようです」と話していました。
そのためか、店員さんもさほどトヨタウォレットに詳しくなく、一度も使ったことがないそう。店員さんのトヨタウォレットには1,500円分のチャージが入っていましたが、「なぜ入ったのか分からない」と話していました。
登録方法
アプリはiPhoneの場合App Storeから、Androidスマホの場合はGoogle Play Storeから行います。
詳しい手順はトヨタウォレット公式サイトで確認できます。
使用感
店舗で行ったのはアプリのインストール会員登録で、カードの紐づけなどは自宅に帰ってから行いました。気になったのは多くの支払い方法が選べる一方、「TS CUBIC」もしくは「レクサスカード」がないと自由度が低くなるということ。筆者はどちらも所持していなかったため、支払い方法の選択肢も狭まり、ポイント還元率も低くなります。
「わざわざトヨタウォレットを使うメリットは薄い」というのが正直な感想でした。今後もアプリの改善やキャンペーン拡充は続くと見られ、今後の還元率のアップなども期待されます。
TOYOTAWallet(トヨタウォレット)を使うメリット
TOYOTAWallet(トヨタウォレット)のメリットをあらためて振り返ります。
ポイント二重取り以上が可能
先述した通り、TOYOTA TS CUBIC CARDなどを持っていればポイントの二重取り、三重取りが可能です。
また、たとえばリクルートカード→送金アプリ「Kyash」→「トヨタウォレット」→「Suica」とチャージを繰り返すことで、ポイント還元率最大2.4%を獲得できるという裏ワザもあります。しかし、Kyashがトヨタウォレットにチャージできることは公式サイトには記載されておらず、今後使えなくなってしまう可能性もあるので注意が必要です。
多様な決済サービスの利用ができる
トヨタウォレットの最大のメリットはひとつのアプリでさまざまな支払い方法ができること。TOYOTA TS CUBIC CARDなどを所持していれば、非常に便利に使え、効率的にポイントを貯めることができるでしょう。
TOYOTAWallet(トヨタウォレット)のデメリット
TOYOTAWallet(トヨタウォレット)のデメリットをご紹介します。
チャージができるカードが限られている
先述してきた通り、Wallet QRやTOYOTA Wallet QUICPayを便利に使いこなすにはトヨタファイナンス発行のクレジットカードのクレジットカードが必須。楽天ペイなどポイント還元率が高いQRコード決済があるいま、わざわざトヨタウォレットを選ぶメリットは低いと言えます。
サービスが不透明
さきほど記載した通り、トヨタウォレットではKyashからのチャージができると記載されていないのに実際にはできます。また、ANApayからトヨタウォレットへもチャージできたりできなかったりという声がSNSから聞かれています。
こうした不安定な動きは公式サイト上ではアナウンスされておらず、結局どの決済サービスからトヨタウォレットにチャージできるのかは不透明だといえます。
まとめ
トヨタのアプリ「TOYOTAWallet(トヨタウォレット)」についてご紹介してきました。
筆者自身、愛車を車検に出すまではトヨタウォレットについて一度も耳にしたことが無かったのですが、今回、記事作成に当たって改めて調べてみるとポイ活に積極的な方の間では「知る人ぞ知るアプリ」だったことも分かりました。
とはいえ現在はチャージを繰り返さなくても、単体でポイント還元率が高いクレジットカードも多く存在するのも事実。2023年8月時点では「利用メリットがまだそれほど大きくないアプリ」とも言えるでしょう。
もっとも記事内で解説した通り、トヨタウォレットは今後「自動車ローン」への対応が予定されています。QRコード決済×自動車ローンという組み合わせは貴重であり、今後、自動車業界で特別な地位を占めるキャッシュレス決済へと発展する可能性があるかもしれません。
※サムネイル画像(Image:sumito / Shutterstock.com)