ワイヤレスイヤホンにはさまざまなタイプがありますが、「耳にイヤーピースを入れるのがどうしてもムリ!」という人もいるでしょう。その場合は、頭蓋骨に音の振動を伝える「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」がオススメです。以前は1万円以上する高価なものでしたが、現在、ゲオ(GEO)では3,278円という低価格で販売されていますので、今回は実際に筆者が購入して、音質や使い勝手、音漏れ具合などを検証してみましょう。
ゲオ・オリジナル「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」の実力は?
「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」は、一般的なワイヤレスイヤホンと違い、耳にイヤーピースを入れず、頭蓋骨に音の振動を伝える特殊な機構で音楽を聴けます。
長時間、耳にイヤーピースを入れるのが苦手な人はもちろん、そうでない人でも耳を塞がないため、仕事中に電話がかかってきても対応できますし、育児中でも赤ちゃんの泣き声を確認できるのが大きなメリットです。
そのような骨伝導ワイヤレスヘッドホンは、数年前まで1万円以上する高価なものでしたが、現在、ゲオ(GEO)では「骨伝導ワイヤレスヘッドホンGRFD-BCH BH330」が、たった3,278円で発売されているのです。
さすがに、ここまで安い骨伝導ワイヤレスヘッドホンだと、しっかり使えるのか不安になってしまいますよね。
そこで、今回は実際に筆者が購入して、使い勝手や音質を試してみます。もちろん、誰しも気になる音漏れについてもしっかり調べますよ。
骨伝導ワイヤレスヘッドホンのスペックを確認しよう!
ゲオ・オリジナル「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」のパッケージは、商品が窓から見えるようになっています。
購入前にサイズ感や商品イメージがハッキリ分かる工夫がされているのがいいですね。マグネットで留められるので、開閉しても箱に傷が付きにくいのも気が利いています。
パッケージのなかには、ヘッドホン本体と取扱説明書、充電用のUSB Type-Cケーブル、耳栓が同梱されています。
この耳栓は“耳を塞いでいても音がしっかり聴こえる”ことをアピールするためのものなのでしょうか?
BluetoothはVer5.3を採用しており、マイク機能も付いているのでヘッドホンとしても使えます。
本体重量は約26gとヘッドホンとしては重めですが、実際に装着してみるとそこまで重さは感じません。
また、対応コーデックはSBCのみになります。パッケージには高音質な「AAC」対応とありますが、こちらは残念ながらゲオ・オンラインストアで非対応であることが記載されています。
ゲオ・オリジナル「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」のドライバーサイズはφ15.9×4.3mmです。これは、通常のものと比べると大型ですが、骨伝導式なので聴いてみるまで実際の音質は分かりませんね。
バッテリーは140mAh搭載しており、連続再生で約7.5時間、通話でも約4.5時間使用できるようです。通勤・通学で使うだけなら十分持つでしょう。
また、ゲオ・オリジナル「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」はマルチポイントに対応しているので、スマホとプレイヤーなどを2台同時に接続できます。
さらに、ハンズフリーモードとしてGoogleアシスタントやSiriに対応しているので、車内ではスマホに接続してカーステレオの代わりに使うことも可能となっています。
■ゲオ・オリジナル「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」のスペック
【Bluetooth】Ver.5.3
【ドライバ】φ15.9×4.3mm
【対応プロファイル】HSP/HFP/A2DP/AVRCP
【対応コーデック】SBC
【再生可能時間】最大7.5時間
【充電時間】約2時間
【充電端子】USB Type-C
【電池容量】140mAh
【マイク】ENCマイク
【マルチポイント】〇(2デバイス)
【防水規格】IPX6
【付属品】USB Type-Cケーブル/取扱説明書/耳栓
【価格】3,278円(税込)
iPhoneとBluetoothでペアリングする方法
それでは骨伝導ワイヤレスヘッドホンをスマホにBluetoothでペアリングする方法を確認しておきましょう。今回はiPhone 13を利用します。
まず、骨伝導ワイヤレスヘッドホン本体にある電源ボタンを長押しして起動します。するとBluetooth接続モードになります。
次に、iPhoneの設定を開いてBluetoothをオンにして、新しいデバイスを検索。骨伝導ワイヤレスヘッドホンを示す「BCH BH330」を選択してペアリングしましょう。
iPhoneとBluetoothでペアリングする手順
骨から音が聴こえる不思議な感覚! でも音質はイマイチ……
それでは、実際にゲオ・オリジナルの骨伝導ワイヤレスヘッドホンで音楽を聴いてみましょう。ただし、初めて使うときは骨伝導式イヤホンの装着位置に注意が必要です。
まず、イヤーフックを耳に掛け、骨伝導ワイヤレスヘッドホンの骨伝導スピーカーを耳の穴の横にある耳珠という部分にフィットさせます(下写真参照)。
このとき、骨伝導ヘッドホンの上下を間違えないようにしましょう。イヤーフックの山が上になる向きが正しい方向です。
実際に音楽を再生してみると、骨に音の振動が伝わって小音量でもハッキリ聴こえます。耳の穴を塞いでいないため、外の音も聴こえるのは何とも不思議な感覚です。
骨伝導なのでどのくらい振動するか気になるでしょうが、音が小さいときはほとんど気になりません。しかし、音を大きくすると振動が激しくなるため、少しムズムズする感じがしました。
音質については低音がまったく聴こえません。曲中で低音部分が大きくなると、振動板が余計に振るえますが、振るえるだけで音としては聴こえないのです。
ただし、中音から高音はよく聴こえるので、ボーカル曲やテクノ系、打ち込みなどとは相性がいいと感じました。
とはいえ、やはり低音が弱いので全体的に硬いガラスを通しているような音で、音質にこだわりがあって音楽をよく聴く人には物足りないでしょう。
試しに付属の耳栓をして聴いてみましたが、スピーカーと耳の間に風船が挟まれているような感じのボヤっとした音になってしまいました。
イコライザで音質調整してみましたが、ほとんど違いを感じることができません。これは本当に残念です。
ちなみに、マイクについてはしっかりと自分の声を伝えてくれました。やはり、骨伝導ワイヤレスヘッドホンはオンライン会議などで使うと、本来のメリットを実感できるのではないでしょうか。
ところで骨伝導ワイヤレスヘッドホンの音漏れは大丈夫?
ゲオ・オリジナル「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」は耳を塞がないため、音漏れについて気になっている人も多いことでしょう。
そこで、実際に筆者が音楽を聴いているときに、会社内で周囲の人に確認したところ、最小の音量でもしっかり音が聴こえていたそうです。
実は、未装着状態の骨伝導ワイヤレスヘッドホンからはあまり音が聴こえないのですが、人が装着すると骨に伝わって音が増幅され、周囲にも聴こえてしまうのです。これは意外な発見でした。
走行音中の電車内なら問題ないかもしれませんが、静かなオフィス内や図書館などではハッキリ音漏れしていることが分かるので、使用場所には注意が必要でしょう。
まとめ|使用できるシチュエーションは限定的!
いかがでしょうか? 今回はゲオ・オリジナル「骨伝導ワイヤレスヘッドホン」を実際に購入して音楽を聴いてみました。
その結果、骨伝導は音の振動を骨に伝えるため、どうしても低音が響かず硬い乾いた音質になってしまうことが分かりました。音楽をじっくり楽しみたい人にはあまりオススメできません。
しかも、けっこう音漏れすることも確認できたので、静かな場所では使いにくいでしょう。
とはいえ、骨伝導なら耳の穴を塞がないため、長時間着用しても耳が痛くならないですし、外部の音も確認できというメリットもあります。
もちろん、3,000円台と非常に安いので、自宅でオンライン会議を行うときや子守をしながら料理や洗濯をする、といったシチュエーションで長時間使うには最適でしょう。
※記事中の商品は筆者(編集部)が購入時点のものです(2024年2月)。店舗によっては在庫切れ、取り扱いがない場合もありますのでご了承ください。
※文中の価格はすべて消費税込です。