要注意!すべての端末がプラチナ対応ではない
実際にプラチナバンドサービスの恩恵を受けられるのは、2012年夏以降発売端末のほか、プラチナバンド獲得を見込んでつくられたものや海外端末など、900MHz帯を利用するための機能がついた端末のみが適用になる。例えば、iPhone 4Sなどは対応端末だが、詳しくはキャリアサイトで対応機種一覧を確認してほしい。
900MHz帯の割り当てを受けた3社のうち、NTTドコモは15年1月にこの帯域を使ったLTEサービスを提供開始するとしている。実は900MHz帯はラジオやマイクなど、すでにこの周波数帯を使っているほかの無線が移行してからの利用開始となるため、少々動きだしまで時間がかかるのだ。すでに800MHz帯でビジネスをしているKDDIやNTTドコモはともかく、イー・アクセスにとっては苦しいタイムラグとなるだろう。
11年度の携帯電話シェアは、ソフトバンクが22.6%、KDDIが27.3%、NTTドコモが46.9%となっている。NTTドコモの1人勝ちにも見えるが、実は50%以上あったシェアからの転落だ。また、前月の契約数に対して増えた契約数を競う「純増数」では、ここしばらくソフトバンクがトップを走っている。つまり、巨人を後発が追い上げつつある状態だ。
これまでソフトバンクといえば、サービス価格は安価だがつながりづらいという印象が強かった。そのため、都市部の若年層が使っている傾向が強いといわれたりもするが、プラチナバンドでのサービスが開始されて本当につながりやすくなれば、わかりやすい欠点がなくなる可能性もある。iPhoneを持つというアドバンテージに加え、900MHz帯は海外でも使われているため、海外メーカー製の端末を販売しやすくなるというメリットもある。
プラチナバンド獲得にあたって、孫氏は「やっと平等な戦いができる」「もう言い訳はできない」と語り、サービス拡充を宣言している。「どこでもつながるソフトバンク」というキャッチコピーも出されているが、本当に屋内や地下、山間部でもつながるようになった時、シェアはどう変化するのだろうか? さらに純増数が増えて追い上げが加速する可能性もある。
(文=エースラッシュ)