しかし一歩進んで、それ以外のことをしようとすると壁がある。例えば、スマホやPCに保存されている画像や動画をキャストしたい時には、サードパーティ製のアプリが必要となるが、日本語で利用できるものはほとんどない。
外国製のアプリには、端末内にあるファイルだけならキャストできるもの、再生と停止はできるが早送り等はできないものなど、多くの種類が出回っている。変わったタイプとしては、PCで再生データを選択し、再生・停止・早送り等の操作はスマホで行うなど、PCとスマホを連携させて利用するアプリもある。説明が日本語ではない上に使い方が千差万別なため、とりあえずインストールして使ってみるしかない。
Chromecastの海外発売時に、これらのアプリは話題になったので、ネットで調べるとその頃のレポートなどがいくつか見つかるが、当時とは対応ファイル形式や使い方が変更されているものもあり、中にはすでに削除されているアプリもある。今後、これらのまとめや新しいアプリなどが方々から出てくることを期待したい。
●誰でも簡単・快適に満喫できるかは疑問
いろいろと書きはしたが、筆者自身は購入して非常によかったと感じている。PCやスマホにため込んだ動画をテレビ画面で楽しんだり、YouTubeの動画をいくつか環境映像のようにループ再生させたりしている。
見ているコンテンツはPCと同じだが、家族や仲間と共有したい時に便利だ。1台のChromecastに複数のスマホから交代でアクセスすることもできるので、それぞれにオススメ動画をブックマークしておいて紹介し合うような鑑賞会も楽しいだろう。筆者は入手してから1週間程度で、すでにChromecast の価格である4200円(税抜)の元は取ったと感じている。
ただし、これを「PCはネット検索とメール利用が精一杯」「スマホはLINEとゲームとメールくらいしか使ったことがない」などというIT機器に疎い人には積極的にお勧めはしない。「テレビでネットが見られたら便利だろうな」という程度に考えている場合、実際に使ってみても、あまり面白くないと感じるように思う。
普段からYouTubeやニコニコ動画などをよく利用し、できれば家族と一緒に楽しみたいと考えている人には、「手軽でいい物だよ」と紹介する。ネット動画などをよくわかっている人にとっては、とても簡単に快適に使えるが、誰にでも簡単・快適に満喫できるものかといえば疑問が残る。今のところ、Chromecastはそんな存在だ。
(文=エースラッシュ)