あまりにも日本独自の進化を遂げていたことから「ガラパゴスケータイ」と呼ばれ、それが「ガラケー」となった。二つ折りできるため携帯しやすく、ハードウェアキーで操作するガラケーのほうが使いやすいため、愛用している人は今でも多い。特に50代以上の層ではガラケー利用者が圧倒的に多い。
そうした中、外見はガラケーで中身はスマホ用OSのAndroidという端末が登場した。KDDI(au)が1月19日に発表したシャープ製の「AQUOS K」だ。この独特な端末が「ガラホ」という新しい名前で呼ばれ、話題となり始めている。
●ガラパゴスとAndroidの融合
ガラパゴス(日本独自)なサービスとして身近な例を挙げれば、「おサイフケータイ」や「ワンセグテレビ」などがある。大手携帯電話事業者(キャリア)が独自に提供している各種サービスも、その類いといえる。
こうしたガラパゴスなサービスを搭載したスマホは、すでにたくさんある。一部では、そのような端末を「ガラスマ」と呼んでいる。ちなみに対義語は「グロスマ」だ。これは海外で販売されている製品と同じ仕様のもので、グローバルモデルであることを示している。
「AQUOS K」が、それらの端末とどう違うのかといえば、まず見た目が完全にガラケーである点が挙げられる。液晶画面が内側になる二つ折りスタイルで、数字キーと方向指示キーのようなものが搭載されている。見た目としては、ガラケーの新機種が発売されたとしか思えない。しかし、この操作キー部分全体がタッチパネルセンサーの役目を果たしており、画面の拡大・縮小などを容易に行える。ディスプレイ部はタッチ操作に対応していない。
また、OSはAndroidだが、アプリマーケットである「Google Play」には対応しないので、アプリは「auスマートパス」から「AQUOS K」に対応するものだけを配信する予定だという。つまり基本的には最初から入っているものと、追加提供される少量のアプリしか利用できないと考えられるから、スマホらしい自由さはあまりない。
しかしAndroid用のブラウザからスマホ向けサイトは見られ、LINEもスマホ用のものが使える。メッセージのやり取りは、メールからLINEへ移行するユーザーが増え続けており、ガラケー向けのサービスは近い将来に停止するものが多く、ガラケー好きユーザーも渋々とスマホに乗り換えざるを得ない状況になってきていることを考慮した端末といえる。