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ビジネスパーソンが話題にできる、一から理解する憲法9条と集団的自衛権

「集団的自衛権は違憲」はまやかし?「米国が攻撃受けたら日本も一緒に戦闘」は正しい?

文=山岸純/弁護士法人AVANCE LEGAL GROUP・パートナー弁護士
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「集団的自衛権は違憲」はまやかし?「米国が攻撃受けたら日本も一緒に戦闘」は正しい?の画像1「首相官邸HP」より

(1)はじめに

 昨日16日、安全保障関連法案が衆議院で可決されました。これは、自衛隊法などの改正を一括して行う「平和安全法制整備法案」と、自衛隊による米軍などの後方支援を可能とする「国際平和支援法案」の2本立てのものです。
 
 この法案をめぐっては、国会周辺で人々が「戦争反対」のプラカードを掲げて演説を行ったり、メディアでは多くの憲法学者が「違憲」「合憲」をめぐり議論を繰り広げています。さらには「徴兵制」を持ち出す党や識者も出てきて、まさに百家争鳴の状態です。

 そこで本稿では、「憲法9条」と「集団的自衛権」について、ビジネスパーソンが話題にできる程度に一から説明していきたいと思います。ちなみにあらかじめ筆者の立場を明かすと、筆者は集団的自衛権大賛成です。

(2)憲法9条を今一度読んでみる

 まずは、あまり読む機会のない憲法9条を改めて読んでみましょう。

「第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」
 
 一見すると、「基調」「希求」「国権」「交戦権」といった難しい言葉が並ぶので読みにくいと思われるかもしれません。そこで要約的に表現すれば、「日本人は、国際平和を求めるので、戦争や武力は永久に放棄する。そのため、軍隊は持たないし、交戦権もない」となることがわかるかと思います。

 ここで、「それでは自衛隊は軍隊ではないのか?」「戦争できないならなぜ武器を持った自衛隊があるのか?」「交戦権とは何か?」といった疑問があふれてくるかと思います。実は、このわずか130文字程度の短い文章には、さまざまな解釈の仕方があり、この条文(憲法)が公布されてから今日まで、実に多様な学術論争がなされてきたのです。

 では、憲法9条をどのように読むことができるかについて解説します。

(3)憲法9条を解釈してみる

●日本は「戦争」できるのか? できないのか?

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