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2023.05.01 02:22
2015.07.24 00:08
江川紹子の「事件ウオッチ」第33回
安保法案反対は“刹那的な世論”かーー内閣支持率が証明する、個々人の集積としての民意
アベノミクスの恩恵を感じられない人々の、経済再生を掲げた安倍内閣への期待はしぼんでいく一方で、ひたすら安保法案を急ぐ首相への不信感が膨らんでいるのだろう。野党第一党の民主党がいまだ国民の信頼を回復していないのに助けられているものの、自民党の支持率もじわじわと下がってきた。「マスコミを懲らしめる」といった自民党議員の発言や、自民党がテレビ局の幹部を呼びつけるなどの対応も相まって、「自民党、なんか危ないよね」という警戒心も生まれ、国民がずりずりと後ずさりしている状況ではないか。
これを「刹那的な世論」、つまり目先の利益や一時的な気分で短期間に移ろう見方と評価すべきなのか、それとも安倍政権が持つ本質的な危うさに人々が気づき始めたと解すべきなのかは、見解が分かれるだろう。
ただ、安保法案の衆院可決の直後、やはり国民の関心事である新国立競技場の計画を安倍首相が白紙撤回する発表をした。このことは世論にも好感されているが、それでも内閣支持率の低下は食い止められていない。
世論は、それほど「刹那的」ではないかもしれない。
(文=江川紹子/ジャーナリスト)
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