犯罪に関与する中国人グループの存在も
多発する金融機関を狙うサイバー犯罪で省庁間の予算争奪戦?
こうしたサイバー犯罪に対し、日本の行政も
「サイバー攻撃を想定したコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)を点検すること」(金融庁)
「サイバー攻撃の予告があった場合、またはサイバー攻撃を検知した場合は、速やかに政府関係機関に報告すること」(同)
と対応を進めている。
●過熱する省庁間の予算争奪戦
その一方で、サイバー攻撃・犯罪への対応をめぐり、予算の分捕り合戦も水面下で展開されている。中央省庁幹部は次のように話す。
「海外からのサイバー攻撃については防衛庁、サイバー犯罪では警察庁が、それぞれ自省庁の管轄として予算計上を検討している。また、経済産業省は、そもそもネット関連企業はうちの所管として、これも予算を計上する方向だ」
いずれも予算を獲得すれば、OBの天下り先を確保できると色気を見せる。新たな犯罪も、中央省庁にとっては新たな利権となる。
(文=森岡英樹/金融ジャーナリスト)